LD適用のロールタップ下穴用ドリル「LDera」を披露したシー・ケィ・ケー。 当面は販売チャンネルの確立も重要テーマ

C.K.K株式会社

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杉山営業部長

メカトロテック初参加の手応えや感想、意見、成果、今後の展望等について取材するため、愛知・半田市のシー・ケィ・ケー本社に、杉山営業部長を訪ねた。


 シー・ケィ・ケーは、レーザードーピング(LD)技術を切削工具に適用し、ロールタップ下穴用ドリル「LDera」という自社ブランド工具に結実させ、メカトロテックに初出展した。
 ブース責任者を務めた杉山営業部長は「ブースに足を運んで頂いた方からは、なにこれ?という根本的な質問が多かった。弊社としては、映像を通してレーザードーピング(LD)とは何か。ご理解いただくことに努めた」。
 LDとは、レーザーを適用して、金属材料に微量の他元素を加えて、その性質を制御する技術で「工具材料の硬度アップ」「元素の結合力強化」「被削材との化学反応抑制」「コーティングの密着性向上」といった効果が得られると言う。
 「同業他社からも、具体的な引き合いを多数いただき、製品含めて、メカトロテックは、弊社の知名度アップを図るきっかけとなった。ユーザー層の方が7割、商社の方は3割という構成で、名刺交換数では250人程度度だったが、実際にお会いし方は1000人近くに上ると思う」と振り返りながら「工具に関わる方々がほとんどだったので、自己採点では10点満点中8・5点。LDの適用分野には超硬(工具)に留まらず、鋼材であれば適用可能だからだ。今回は1コマしか確保できず、ブースの狭さは反省材料にしたい」。
 LD適用第一弾としてのロールタップ下穴用タップ「LDera」を手に取って、確認した来場者は「すごい技術だね」「どのように活かすか」「専用設計の提案ができれば」といった反応が返ってきたと言う。
 LDの機械は昨春完成し、必要最低限の自動機と手動機の2タイプが1台ずつある。
 「現状では、自動機は軸モノ工具を想定しており、半ば実験的な手動機は、金型や治具のテスト依頼で対応している。当面は切削工具への、LDの適用に注力しつつ、売り上げアップを目指し『販売チャンネル』の確立に向けて、ロールタップ下穴用ドリルに続く第二弾を検討している。将来的には、工具以外の需要発掘も視野に入れ、一般ユーザーの開拓に力を入れていけるようにしていきたい。弊社にとっての新たな柱として、LDを核に、その活用を図りながら、『金属を強くする企業』としても成長させていくことができればと考えている」。
 現状では営業部は杉山部長を入れて5人体制。まだ、始まったばかりだが、切削工具への適用を通じて、切削工具以外の世界でLD適用がどのように発展していくか、楽しみだ。


ブースでは、 工具に他元素を塗布するイメージを映像で流す