プロダクティビティトロフィー2025発表 ブラザー・スイスルーブ・ジャパン 5部門で優れた結果を出した5社を表彰。

ブラザー・スイスルーブ・ジャパン株式会社

ブラザー・スイスルーブ・ジャパン株式会社

表彰された各社代表 (左端ビラードCDO、その隣が西社長)

ブラザー・スイスルーブ・ジャパンは、10月21日、名古屋市内のホテルで「プロダクティビティトロフィー2025」を開催した。機械加工においてクーラントが果たす実際的な貢献度を顧客とともに確認しようと2017年スタート。今回もプロセスの安定性/工程の最適化、切削油の最適化、持続可能性/環境・安全、生産性の向上、トータルコスト削減の5部門で優れた結果を出した顧客を表彰し、検証結果を共有のものとした。
 冒頭、パトリシオ・ビラードCDOは日頃のご愛顧への感謝を述べた後、トロフィーの趣旨説明を行い、業界課題のさらなる解決に向け、引き続きの協力を求めた。表彰された各社の内容と実績は以下の通り。


▼プロセスの安定性/工程の最適化(新潟・第一測範製作所)…「シナジー735」で切削液の腐敗臭除去や工具刃先寿命の延長を実現し、切削加工において25%の時間短縮につながった。「ブラソグラインドGTS15」では、ねじ研削盤内部に発生して加工作業を妨げていた白い析出物を抑制。製品の熱膨張が抑えられ、安定した寸法精度で加工できるようになった。また、研削盤の性能向上のため「グラインデックスS35」を導入し、一定の成果を確認している。全体として、主力製品である「ねじゲージ」生産ラインの生産性向上につながっている。
▼切削油の最適化(茨城・神鋼ノース)…新幹線の床板に採用されるハニカムパネルをはじめ、アルミ加工品や精密切削加工品をオーダーメイドで提供している。深刻な腐敗臭やベタつき、機械の塗装が剥がれるといった問題を「ブラソカットBC35コンビSW」で改善。2021年には「シナジー735」を導入し、アルミ加工でも変色が少なく、優れた洗浄性によって安定した加工を実現した。現在は、工具寿命と洗浄性のさらなる向上を期待し、植物油ベースの高性能水溶性金属加工油「バスコ601」への切り替えと統一化を予定している。 
▼持続可能性/環境・安全(福岡・有明機電工業)…白と青の企業カラーと「ブラザー」の文字、シンプルで清涼感のあるロゴマークに一目ぼれした。2019年、5面加工機の導入に合わせて「B-Cool 9665」を採用し、匂いや製品のベタつきの点で改善が見られた。2023年、小型ロボドリル、NC旋盤、縦型MCに「バスコ601」を導入し、定期的なアドバイスを受けて、均一な希釈液を確保しながら効果的な運用を続けている。5面加工機や大型NC横中ぐり盤で課題になっている腐敗臭、従業員の健康への影響を考え、「B-Cool MC 660」導入を正式に決めた。
▼生産性の向上(愛知・宝工業所)…自動車部品や航空機部品の試作・製造を行っており、強みである短納期・高品質は「宝クオリティ」として知られる。長年、灰汁の発生や切削油の腐敗臭で悩まされていたが、セミナー受講をきっかけに「B-Cool MC 660」を試験導入。その後、加工精度と管理面の優位性から導入を正式決定した。機械を清潔に保つことができ、視認性もアップ。切削油の腐敗臭もなくなり、作業環境が大幅に改善した。
▼トータルコスト削減(佐賀・ワイビーエム)…切削油の腐敗や錆の発生が加工精度と機械の耐久性に影響することから、従来使用の油を「B-Cool 9665」に変更した。高い切削性能と長寿命を兼ね備えてもおり、その特長を実感した。導入後は切削油使用量を約25%削減でき、廃油処理コストの抑制でトータルコスト削減に。高い切削性能と低ミスト性を両立する「バスコミル10」の導入も予定しており、さらなる生産性向上と環境不可軽減への取り組みが進められている。

 受賞各社による事例発表の後、西博昭ジャパン社長は、「私どもの製品が皆さま方に採用いただけていること誠に光栄であり、あらためて感謝申し上げる。皆さま方に負けないよう私どもも社内改善に取り組み、最終的に皆さまの生産性向上に貢献できるよう精進していく」とし、謝辞に代えた。