ユキワ精工ツーリングユーザー訪問、韮崎精密(山梨県・南アルプス市)。 「切削条件が上げられ、加工時間が半減」を達成

取材に対応いただいた渡邉取締役
省力化機器の部品加工で1984年に創業した韮崎精密を訪問し、3年前から活用しているスーパーG1チャックの役割と評価について、現状の仕事内容と合わせ、中島社長、渡邉取締役に取材した。
11年前に3代目となった中島社長は「時代の変遷の中で、現在の主たる仕事内容は、半導体・検査装置部品が6割と一番、多く、次いで医療機器関連が3割で、創業当初の省力化機器関連は1割となっている」との業容を語る。
加工上でのそれぞれの特徴を概観していくと・・・。
半導体・検査装置部品は、アルミ加工が中心で他にステンレス。大きさは10ミリ角~1500ミリ角と多様で、単品モノ中心だが、1ロット100点以上ある場合も。単発ばかりか、リピート品もある。
医療機器部品関係はほとんどがステンレス製。点滴パックの製造ラインで活用される、圧着装置の部品が中心。注射針もある。1ロット100個くらいの部品が多い。
省力化機器部品では、真空装置部品が主体。被削材はステンレスが多く、1ロットは5個~10個。
・・・現場は1直4人体制。山梨県内の企業7、8社と信頼関係を軸に仕事を受注していると言う。
設備はマシニングセンタ4台(DMG森精機3台、コマツNTC1台)、NC旋盤1台(DMG森精機)、汎用フライス盤と平面研削盤は日立精機で各1台ずつ、他に三菱電機のワイヤカットなどがある。
現場を統括する渡邉取締役によると「主要設備の中で最も新しいのが、2022年に現場に据えたDMG森精機のNVX-5100。当社の骨格を成す、半導体・検査装置や医療機器関連の仕事量拡大に向けて、設備増強の観点から現場に導入した、久しぶりの投資対象だった」そうだが、まさにこのタイミングでユキワ精工のスーパーG1チャックの活用がスタートした。
「取引商社の勧めもあって、30本以上、まとめて購入した。これまでのツーリングと比較すると、ビビリが抑えられ、面粗度が向上し、工具寿命も伸びた」ばかりか「工具の折損が少なくなり、さらに切削条件を上げることができたので、加工時間が半減した」と中島社長自身が高評価を下す。
基本的に求められる精度100分の1レベルに対しても十分に応えられており、渡邉取締役は「ツーリングについては、棲み分けにも配慮するが、ユキワ精工製を標準に考えていきたいと思っており、仕事量増大には、リピートオーダーで対応していきたい」と総括した。

NVX‐5100導入時にスーパーG1チャック30本以上購入し、加工時間半減への原動力に