「外需は引き続き伸長、内需も盛り返す局面到来」している碌々スマートテクノロジー。 相当な商談件数抱え「下半期も悪くない」(矢野社長)

碌々スマートテクノロジー株式会社

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取材に対応してくれた矢野社長

メカトロテックブースに矢野社長を訪ね、上半期の状況を後付けてもらいつつ、MEGA、Android、Visionといった主力製品の動向をはじめ、生産体制の強化、新規分野へのアプロ―ト等について幅広い取材を試みた。


 4月~9月の上半期を終えて、メカトロテック開幕を迎えるなか、下半期がスタートした。
 「上半期は期初の目標に対し、受注ベースでは予想を上回る実績が積み上がっている。外需が引き続き伸長する一方、内需も盛り返してきているのが特徴で、データセンタ向けの需要は無視できない。スマートフォン絡みのレンズ関連が好調だが、車載系のセンサー用レンズの需要は、今後、もっと伸びていくと考えている」。
 7割以上を占める外需の大半は、韓国と中国から発生している。
 「韓国は、AIに繋がる先端の半導体、中国は、半導体に加え、レンズ関連の需要が牽引している。台湾はここ最近、落ち着いている」と海外需要を素描しながら「機種別に概観すると、MEGAは高原状態で推移し、Androidは着実に増加を辿り、Visionは面素度向上が評価されている」。
 最も反応の良いMEGAについては、穴加工の精度安定、加工時間での優位性等が挙げられるが「売った後の加工相談に丁寧に対応させて頂いていることや、工具など周辺のツールを含めたソリューション提案に対しても評価頂いてるかと思う」。
 総じて現状では、同社の微細加工機は、半導体関連の需要を刺激し、実績を上げている。
 「半導体プラスという関心で、新規市場を開拓していきたい。加工方法のリプレースを促すようなソリューションを提案し、微細加工ニーズを喚起していく。微細金型へのアプローチ強化も必要になってくるだろう」。
 生産体制としても、来年3月からを目標に、静岡工場では2台/月の増産を計画している。要チェックだろうか。
 ところで、企業は人なり、である。採用に向けた計画はどうだろうか。
 「弊社は、おかげさまで従業員の平均年齢が37歳とバランスが適度に取れている。2023年には『採用チーム』を発足させ、学生へのアプローチを活発化させ、インターンに注力している。この2年間は安定した雇用が実現できていることが、多少とも、自信に繋がっている」。
 最後に下半期の予想になるが「最新機種のAndroid(Ⅲ)にも受注実績が伴ってくるなど、商談件数は相当、抱えており、下半期も悪くないと思う。ロボット搬送など、自動化の進展への対応や、セミコン系の展示会を訪問するなど、新しいネタを仕入れることにも配慮しながら、ソリューション提案力を強化していきたい」との回答が寄せられた。


注目された加工サンプルのレベルの高さ