11月以降、徐々に出荷台数が増加傾向‐牧野フライス精機 需要刺激策では「中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)」をアピ—ル

清水社長
2025年も間もなく幕を閉じる。工具研削盤の主要需要先である工具メーカー、再研磨メーカーからの設備投資には「模様眺め」「様子見」が目立ち、具体的な発注には、なかなか結び付きにくい環境下だったと思う。牧野フライス精機はどうか。今期も第4四半期を残すのみとなるなか、清水社長を訪問し、この間の動向や設定された課題、自社のアピールポイントほか、需要喚起策としての補助金活用提案等について、取材を試みた。
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工具メーカーが牧野フライス精機の顧客の核を成す。
「上半期は、工具メーカー各社の設備投資動向にも、落ち着きが見られたが、下半期は、出荷台数ベースで徐々に回復傾向にシフト。メカトロテックでのフォローもあって、AGE30FX、SG10、DB1というメイン機種にも多数の新規引合を頂き、手応えが感じられるようになってきた」。
もちろん、ユーザー目線に立った使い勝手の良さや加工精度、アフターサービスへの評価も、回復シフトを促している要因に挙げられるだろう。
「顧客満足度アップという点では、特殊工具への対応強化も念頭にある。新ソフトウエアであるTool Createrを通じて、ニーズを形にし、社内検証を経て、その真価を問うていきたい」。
需要面では、機内自動測定や小径工具研削に対するニーズも無視できない。
「メカトロテックでも引き続きアピールしたが、画像認識技術を駆使する、内蔵型マイクロビジョンシステムmonocam2に対する来場者の関心、注目度の高さを実感。また、DB1による極小径工具研削デモ、及びサンプル展示が非常に好反応だった」。
チッピングを防ぎ、工具寿命を延ばすホーニング加工でも、monocam2の活用メリットは大きいだろう。
「撮影した画像から刃先座標を検出して加工することで、短時間かつ高精度にホーニング加工が可能。人手不足への対応としても、ご検討いただければと思う」。
最後になるが、政府の補助金活用による、牧野フライス精機の需要刺激策を紹介したい。
「弊社で注力しているのが、中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)。公募が来年9月までと長く、しかも採択には1~2か月程度と、比較的短期間で結果が出る。活用を検討するユーザー様は、事務局に登録された対象製品の中から、導入希望機種を選定し、販売店様と一緒に申し込み頂くことになる」。
11月時点での牧野フライス精機の登録・対象製品は、以下の通り。
▽AGE30FX・・・砥石交換装置と内蔵型ローダを標準搭載した全自動機。
▽MG30・・・高い拡張性を持つ重研削機。
▽DG30・・・中径工具の製造や再研削に適したジャストスペックモデル。
▽CNJ2・・・豊富な納入実績を誇るロングセラーモデル(H仕様砥石軸のみ対象)。
*SG10、CNJ2(SH/WH仕様)は現在申請中。
「中小企業などの人手不足解消に繋がる省力化製品導入費用の一部が補助される。この機会に是非ご活用頂きたい」。

内蔵型マイクロビジョンシステムmonocam2