牧野フライス精機の第二工場は今年9月に稼働スタート。同社生産の「本丸」に。
入念な基礎工事を展開中
- テストカットへの対応、研究開発の深化、納期短縮、生産能力増強・・・幾多の役割を担って今年9月の稼働を目指す第二工場は、現在、基礎工事をフル展開中、早期完成を願うユーザーも数多い。
- 清水大介社長は「当初の平屋から2階建てへと設計変更し、1、2階ともに製造工場となる。生産能力では現有の1・5倍。当社の生産の『本丸』となるのが、この第二工場だ」と説明する。
- お断りせざるを得なかった案件にも、対応できる体制が整うことになるが、高原状態で受注を継続しているAGE30、MG30等の納期短縮を図るうえでも、大きな役割を担っていくことになる。その意味では「生産余力の確保」という側面も無視できない。
- ここでトピックスとして紹介していきたいのが、受注で一番、ウェートの高いAGE30が、もうすぐ200台を超える出荷台数を記録することだ。
- 「リーマンショック後の2009年にリリースしたものの、市況の厳しさもあって、当初は著しい受注結果を出す事が難しい状況であった。しかしながら客先の業績回復と歩調を合わせるかのように少しずつ、販売に結びつくようになり、ここ4、5年で受注の柱として成長を遂げていった」と言う。
- 剛性の高さからくる精度の安定性が、何よりの評価点と言えようか。 市場での動きのいい、小径需要への対応という点で見逃せないのが昨年のJIMTOFで披露した新製品「SS7」。径0・05ミリから3ミリまでの小径に特化した工具研削盤として、記憶している読者も多いかと思う。
- JIMTOF会場での感触について清水社長は「何よりも出展ブース場所が良く、人が入ってくる動線を確保でき、商談も具体的に運んだ。SS7の、Rを取り入れたデザインは、見た目のうえでも、好感を持って迎えられたと思う。0・05ミリのボールエンドミルの加工サンプルを展示、手に取って、ご確認いただく姿も、相当、見受けられた。需要を喚起する、販売促進元年と位置付け、活動していきたい」。
- 日本と同じサービス、フォロー体制を提供している海外についても、受注は毎年のように増え続けていると言う。社内シェアでは大きなウェイトを占めるまでになっている。
- 「中国は昆山に事務所を開設しており、東南アジアは、インドネシアとタイ。出張ベースを含め、アジア全域のバックアップ体制を採っている」。 2017年の幕が上がって一カ月余。
- 「業績的には、横ばいの予想だが、為替がどうなるか。110円前後で推移してくれれば、ベストだが・・・」。
- 「トランプゲーム」は始まったばかり。気にかかる為替は、やはり、気にかかる。
第二工場の建設現場に立つ清水社長