岡本工作機械が全国3か所で代理店会開催。MUJINシステム4月販売開始へ

株式会社岡本工作機械製作所

株式会社岡本工作機械製作所

石井社長挨拶

  •  2016年度の岡本工作機械製作所の代理店会であるPSG会支部連絡会が、2月14、15、16の3日間、大阪、名古屋、横浜で相次いで開催され、①ボタンを押すだけで研削が始まる「MUJINシステム」オプション②高能率研削③複合研削‐の詳細に触れるとともに、伊藤技術開発本部長から「未来年表から検証する加工プロセス」と題した特別公演が行われた。

 

  •  冒頭で秋山営業部長は「当社の今期の売り上げは250億円の予想。業種別では、一般機械分野を筆頭に、金属製品、金型関連など、精密向けが大半を占め、台数ベースではアップしているものの、金額ベースではダウンしている」現状に触れた。
  •  昨年のJIMTOFで大きな話題を提供した①「MUJINシステム」。平面研削盤の全自動化を推し進める「UPZ‐Liシリーズ」「PSG‐CA3シリーズ」購入時のオプションとして、操作盤の操作を不要とする。
  •  「車の自動運転に着想を得たもので、タッチパネルのみ。チャックにワークを搭載し、入力すると、あとは全自動で研削。ワークの形状、高さ、砥石の径などを測定し、異形状の平面研削にも対応する。補正機能もあり、研削できていない箇所は再研削も行う」。4月からの販売スタートだ。
  •  ②の高能率研削では、切込み量の大幅な増加による作業時間の短縮化・高能率化が目指される。「研削は遅い」という既成観念を一掃していく試みでもあり、10倍、今年は20倍~30倍と、岡本工作機械による能率アップへのトライアルに終わりはない。
  •  100ミクロン~200ミクロンの切込みを行う「切れる砥石」、 研削液の流れを均一にし、従来比30%アップの冷却能力実現させたバブル発生ユニット「TWIN‐BIX」それぞれを、大型平面研削盤「PSG208CH‐iQ(Li)」や中型平面研削盤「PSG106CA‐iQ」、超精密成型研削盤「UPZ315Li」といった高剛性研削盤とのセットで展開していく。
  •  円筒、内面研削盤と進む③複合化については、精密機械部品、一般機械部品、金型など多様な分野に納入実績があり、砥石の搭載方法や生産性重視か、重量物への配慮かなどによって横形、立形の2タイプがラインナップされている。  横形では「UGM‐NCシリーズ」、立形では「UGM5V」が代表例だが、今後の市場浸透に注力していく目玉に据えられている。

 

  •  特別講演で伊藤技術開発本部長が掲げたテーマは「未来年表から検証する加工プロセス」、副題として「未来の砥粒加工システムとは?」と問題提起した。
  •  トランプ大統領就任演説の場面から始まり、日本のGDP600兆円に向け「健康立国」「第4次産業革命」「車の自動走行」「ドローンの産業利用」などをキーワードに「産廃ゼロへの対応や部品はすべて完全再生できるような設計及び高硬度材料の一般化」を予測。ゼロエネルギーの実現や太陽光発電+風力発電などの「スマートシティー」にも言及した。
  •  伊藤本部長の講演で特に興味を引いたのが次世代航空機。
  •  「エアバスが電気で飛行できる航空機開発に着手。時速1000キロの超スピードで、電気を応用し、多用する計画のようだ」。
  •  砥粒技術と言う点では「砥粒はすべて超砥粒となり、加工効率を上げながら、面品位も上げていく」「超平坦化プロセスは、ボリュームの拡大を辿る」と伊藤本部長は「未来年表」を繰った。
  •  最後に、次世代5G通信インフラで「主要部品は日本が担う。半導体製造装置の販売金額で見れば、3割が日本製で占める。当社も国家レベルのプロジェクトで採択されており、求められる超砥粒技術に応えていきたい」と締めくくった。