YKTがロロマティック製レーザスマート本格拡販へ

YKT株式会社

YKT株式会社

レーザースマートで加工した工具の一例

 

  •  スピンドル加工にはケレンベルガ、シャフト部品の現場測定ならヴィチ・ビジョンという、新製品アピールに重きを置いた昨年のJIMTOFから早くも4カ月が経過する。

 

  •  「初披露が多かったが、なかでも、ダイヤモンド工具の加工を念頭に、JIMTOFを機に本格販売に踏み切ったロロマティック製レーザスマート500。市場は限られているが、早くも受注の兆しが見える」と広報担当者は語る。
  •  レーザスマート500はPCD、CVD、MCDのダイヤモンド工具を製作するレーザ加工機。
  •  「エッジを鋭く加工できるうえ、均一性が保たれることで工具の長寿命化に寄与する。ドリルランド加工も可能だ。最適化されたレーザパラメータを標準で搭載し、材質に応じて選択できる。『ダイヤモンド工具はレーザで』を合言葉に、アプリケーションの提案とともに販売を強化していきたい」。
  •  「欧州では2005年辺りからPCD工具の加工にレーザを適用する動きがすでに広まっていた。レーザで加工を行うと、特有の加工痕が残る。工具寿命に優れる証明として、レーザ加工痕付きの工具をあえて選ぶユーザーも多かった。少しずつ日本でもダイヤモンド工具のレーザ加工の優位性が認知されてきている」と言う。

 

  •  レーザスマート500は軸モノ、インサートともに対応可能だ。
  •  「工具加工向け以外では、ケレンベルガの複合円筒研削盤やペムテックの精密電解加工機の拡販を考えていきたい」。
  •  日本の工具研削盤市場には一服感がある。商社ならではのラインナップの豊富さに期待する、その需要を喚起しない手はないだろう。
  •  「工作機械スピンドル加工の代名詞として、受注が好調なスイスのケレンベルガ社とは、2015年3月に総代理店契約を締結。ジグ研削サイクルの付加、砥石加工基準でB軸旋回する機能によるストレートとテーパの連続的な研削、分解能0・00002度の静圧軸受式砥石ヘッドの搭載等、1918年以来、技術革新に留まることがない」。
  •  「ホブ加工できない特殊な減速用のギヤで実績が増えるペムテック社の精密電解加工機は、高い付加価値を備える高硬度材、難削材の量産部品がターゲット。バリなし、結晶構造の変化なし、電極摩耗なし・・・早い話、高速で精密な加工を約束する」。
  •  このほか、工作機械や三次元測定機の空間補正で実績を積み上げてきたエタロン社の「レーザトレーサシステム」。空間補正システムは航空・重電の工作機械ユーザーの利用が増え、工作機械メーカーの導入を促している。

 

  •  プラティット社のボロン・タングステンも組成比制御する「回転円筒カソード式PVDコーティング炉」、自動車のバックドアのヘリカルギヤ、減速機用精密ギヤ、時計のギヤで活躍するアフォルター社の「マイクロホブ盤」、旋盤加工の現場でシャフト部品を素早く測定し、不良の削減を提案するヴィチ・ビジョン社の「立形光学測定機」など、今期、YKTから提案される商材は枚挙に暇がない。