イワタツールのトグロンハードシリーズが量産化シフト
岩田社長(右)と古田社長
- 名古屋で開催されていた機械要素技術展に出展中のブースで、岩田昌尚社長に面談した。
- 「前期を締めくくると、売り上げ、利益ともに過去最高を記録。国内は、関東での伸びが大きかったものの、西日本含め、掘り起こしの成果が出たと思う。当社は、センタードリルだけ、との認識が一部にあったものの、徐々にその固定観念が払拭されていき、同時に、トグロンハードシリーズの量産化シフトが、売り上げの分母を押し上げた格好になる。社内シェアで2割を占めるまでになった」と前期の「成績」を総括する。
- 昨年5月から稼働スタートした工程分割を担った新工場によって、効率が追求された点も売り上げ数字に貢献したようだ。
- 設備という面では、4月には牧野フライス精機のAGE30が導入され、太モノへの対応が強化された。 「量モノを手がけるタイ工場でもAGE30の導入を検討している。オリジナル工具を伸ばしていきたいと考えるからだ」。
- タイ工場は、今ではアジア全体の「供給基地」と化しており、多様なニーズが、様々なトライアルを要求しているのだろう。
- ブースには共同出展社の、長野で金型を手がける光和の古田社長も顔を見せた。
- 「当社は自動車関連部品が多い。放電、ワイヤ、切削、研磨といった加工法を駆使しつつ、微細加工の分野を標榜しているが、さらに深耕していきたいと考えている。特に今後は、医療分野を狙っていきたい」との抱負を古田社長は語る。 イワタツールのユーザーでもある古田社長の評価は「たとえば、トグロンハードドリルは、穴あけの既成観念を根本から取っ払うような工具だと思う。一言でいえば、創造性のある工具だと」。
- 放電との比較事例として、イジェクターピンの穴あけされたサンプルがイワタツールに提供されていた。
- 「加工スピードは7倍以上も違う。切削の優位性の一例を提供させて頂いた」。
- 話をイワタツールに戻す。
- 「前期で伸びた市場に欧州がある。EMOショー出展は、今回で7回目。それなりに時を刻んできたが、日本と比較してスピード感がまるで違う、その市場性の中で販売する感覚が非常に大事だと思う。欧州市場は高生産性がキーワードであり、当社の製品で訴求力があるのはGPドリルになる。秋の収穫を今から楽しみにしている」。
トグロンハードロングドリルの加工例
金型製作でトグロンハードドリルをアピール