タンガロイが「IGA INNOVATION DAYS」で成果。引き合い、後日説明依頼が殺到
製品を指示しつつ成果を説明する武智部長
- 工作機械メーカーと周辺機器メーカーとのコラボレーション追求は、今や「趨勢」であり、トータルな現場力を要するユーザー「目線」から判断しても、理に適っている。タンガロイ・MTB(マシン ツール ビルダーズ)グループは、2012年の発足以来、関連メーカーと手を携え、顧客の設備投資の段階から関わってきている「加工問題を解決していく部隊」。工作機械メーカー主催の展示会参加も、その延長線上にあり、今回は6月20日~24日にかけて、DMG森精機・伊賀事業所で開催された展示会にフォーカス。グループの責任者である武智清行部長にヒアリングを試みた。
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- タンガロイがパートナーシップ企業として参加したDMG森精機の「IGAINNOVATION DAYS」について、MTBグループの武智清行部長は「今回のイノベーションで特に感じたのが、周辺機器メーカーとの接点を数多く持ち、機械設備とのコラボレーション実現に労力を割いていたことだろうか。9000人という動員の凄さばかりか、その内容についてもインダストリー4・0やIoTを体現していたのではないかと思う」と総括。タンガロイを含めパートナーシップ企業25社による協力のもと「より早く確実に顧客のもとにソリューションを届ける」(DMG森精機)主催者の姿勢を高く評価する。 ユーザーを中心に、課題を携えて来場したことは「工具の収納・管理システムのMATRIXやクーラント圧を活用した、高速回転ホルダによる既存機械を高速機械に変えるSPINJET、高生産性を促す多種多様な『倍速工具』に関して、引合い、後日説明依頼が殺到した」ことに如実に表れた。
- が、その一方で「事前に当社の販売商社や顧客に、今回の見どころを配付したことも、目的をもってブースに足を運んで頂いた要因に挙げられるのでは?また、DMG森のどの機械にどのような工具が採用されているか―たとえば、立形マシニングセンタや5軸複合加工機、NVXシリーズで使用‐マップを作成し、見学者の便宜を図った」など、「根回し」の大切さにも武智部長は言及した。
- 展示された「倍速工具」を拾ってみると①「DoTwist‐Ball」②「DoFeed」③「TUNG HEAVY GROOVE」―などにまとめられようか。
- ①は、切れ味の鋭いラジアス・高送り2種類が使用できるインサートで、ヘリカル切れ刃を備えた三次元加工工具。生産性と安定性を高い次元で両立させると言われる。
- ②は、肩削り、溝切削、突き加工など、様々な加工形態に対応する多機能高送りカッタ。低抵抗切れ刃と多刃設計により高能率加工を実現する。
- ③は、強固なクランプ機構で大型溝入れ、総形加工に対応。加工時間を短縮に大幅な貢献が期待できる。 このほか、武智部長からタンガロイの「旬」のアイテムに挙げられたのは、「Deep Tri Drill」、「Do Force Rec」ほか、ユニークな形状で使い勝手の良いCBNインサート、焼き入れ加工用新コーテッドCBN材種など。
- 「この半年間、ターンキー関連のツーリングの仕事以外では、ほぼ、工作機械メーカーとの共同開発に関与している。具体的には、機械の特長を、より強く押し出していくうえで、治具や切削油、ツーリング、計測器などのメーカーとチームを編成して対応している」と言う。
- 「今後についてはIoT、インダストリー4・0に工具をどう対応させていくかが課題。また、近年の業界テーマである『「工具の寿命の管理』」については、加工の際の振動で工具が緩まない方法(工具の保持の仕方)の開発と切り屑をスムーズに排出し、工具を長持ちさせる加工方法を追求していきたい」と締めくくった。
タンガロイの出展製品