オリジナル治工具で差別化する、茨城のカドワキ電子。ユキワ精工スーパーG1チャックでビビリ音に決別
スーパーG1チャックを装填する生田目グループリーダー
- 歯車加工などを手がけるグループ企業、カドワキの電子部門が独立、創業する形でカドワキ電子が発足した。
- 「創業は昭和61年頃だったが、モニターテレビが発展、急速に普及するなかで、高周波回路に関連したアセンブリーの量的拡大という背景があった」と語る門脇敏美工場長。
- その後、コネクタの組み立てに関わる仕事も舞い込んできたが、程なく、バブル崩壊が到来した。
- 「中国をはじめとする海外に仕事が流れ、国内は空洞化状態に陥った。第二の創業を決意し、お付き合いしていた商社やカドワキからの部品加工受注を手始めに、機械加工に注力していくようになっていった」そうだ。 転写機、草刈り機、集電装置、焼結合金や鍛造品の2次加工・・・といろんな分野にトライし、紆余曲折を経ながらも受注を拡大。社内シェアでは、機械加工分野が7割~8割と主力になっていく。
- 「運が良かったのは、草刈り機のクランクシャフトで、量産立ち上げの段階から関わることができたことだろうか」と門脇工場長は振り返る。
- カドワキ電子の「差別化」的対応と言えるのがオリジナルの治工具開発。品質や納期はもちろん、コストにも関わってくる、現場を特徴づけるノウハウの具体化だ。加工に従事するスタッフは13人。2直体制を敷く。 「当社の機械加工分野の受注ロット数は1000個~2000個が一般的。ユキワ製スーパーG1チャックを知ったのは、1年前、円テーブルで自動割り出しのセッティングに来ていただいたときに、テストサンプルを提供して頂いたのがきっかけだった」と言う。
- その頃、カドワキ電子では、焼結合金の加工時に発生する「ビビリ音」が頭痛の種だった。周囲は民家が取り囲んでいるため、デリケートな問題になる。
- 「スーパーG1チャックに切り替えると、まったくビビリ音がしなくなった。しかも切削速度を20%上げての話で、効率も上がった。刃持ちの良さにも繋がり、加工総数で見れば、250個で工具交換していたのが400個に」という成果をものにした。
- 基本ロットである1000個を加工する場合、従来、必要としていた工具は4本、スーパーG1チャックに切り替えてからは2本強という勘定になる。
- 「導入後、いろんなメリットを享受できたが、加工において、初めてのことなのだが‐メーカー推奨値から始めるという、アプローチ法が根本的に変わった。と言うのも、当社で設備しているのは大半が中古機械。そのため、機械にあまり負荷を掛けないよう気を配っていた」。
- ユキワ製スーパーG1チャックというツーリングによって、工具の性能を引き出せるようになり、工具そのものの認識にも繋がったと言う。中古機械かどうか、大きな問題でないことも分かった。
- 「この1年でスーパーG1チャックが12本になった。中古機械をいかに活用していくか、という前向きなスタンスに繋がる、大きなきっかけになった、かけがえのない出会い」と門脇工場長は言い切る。
- カドワキ電子の今後の方向性としては、得意とするオリジナル治工具の開発を梃子に、マシニングセンタの仕事を増やしてくそうだ。
スーパーG1チャック導入は、中古機械を積極的に活用していく転機にもなった
セッティングの準備をする
生田目グループリーダー
門脇工場長