スター精密は新製品「SR‐20JⅡ」を問う。販売は来年5月からスタートする
披露されたSR‐20JⅡ(タイプB)
- 独自の「スラント型すべり案内面構造」をクシ刃型刃物台に採用 多様化する部品加工ニーズに対応し、ガイドブッシュ切換機構搭載 自動車部品関連では剛性2割アップを強調 医療機器分野関連では複雑加工への対応を意識
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- スター精密の新製品「SR‐20JⅡ」発表会の冒頭で挨拶に立った笹井康直機械事業部長は「ことし1月から自動車関連産業中心に受注が進展、通期で過去最高の400億円突破を見込めるレベルにまで来た。9月のEMOショー、10月のメカトロテック等、秋口の展示会を通じて受注の積み増しを図っていきたい」と過去最高の売り上げ達成に向け「秋本番」を活用していく構えだ。
- 新製品のSR‐20JⅡは、2008年にリリースし、国内およびアジア市場で好評を得ている「SR‐20J」をフルモデルチェンジ、最大加工径20ミリという汎用ゾーン向けに提案される。
- 鈴木大亮開発部長は「当社自動盤の7割までが20ミリサイズのため、モジュラーデザインを採用し、開発・製造のリードタイム短縮を目指す」考えで、昨年発表された「SR‐32JⅡ」に続く第二弾。
- 機械の構造面では、正面加工用のクシ刃型刃物台に「スラント型すべり案内面構造」を採用、剛性を高めることで安定した精度、長時間の連続加工を可能にしている。
- 多様化が進む部品加工ニーズへの対応としては、被削材の全長に合わせて対応できるガイドブッシュ切換機構の採用が挙げられようか。
- さらに機械の構成で、直線5軸+回転2軸=7軸制御のタイプA、直線6軸+回転2軸=8軸制御のタイプBから成り、Y2軸が付加されたタイプBでは、切削時間の短縮を特に意識。
- Y2軸にアリ溝構造を採用して、刃物台の剛性確保に努めているのは、スター精密だけの差別化対応となることを付記したい。 自動盤の需要家層は自動車関連および医療機器分野が核を成す。
- 実機見学会でのスタッフによる強調点は「挽き目不良を気にする自動車関連分野では、剛性が特に大事な要素。面で受ける構造となるアリ溝は、X1軸、Y1軸、そしてY2軸に採用しており、剛性面で2割アップを目指している」「複雑加工への対応を半ば前提とする医療機器分野。特にタイプBのように、背面加工専用刃物台にY2軸制御付き8軸型ユニットが搭載され、標準で全ポジションに回転工具ユニットの取り付けが可能(=8本)と言うメリットは大きい」。
- 作業性・操作性という点では、切削室及び主軸台室のドアに跳ね上げ式ドアを採用し、余裕ある機内スペースを確保。旋回式パネルも、ベストポジションでの機械操作に一役買う。
- 販売スタートは来年の5月、毎月60台以上の販売を目指す。
- 下半期について笹井機械事業部長は「好調継続を予想。日工会全体では、海外向けの伸び率が大きいが、当社は国内の伸び率が大きい。前年を大きく上回っている」と言う。
笹井康直機械事業部長