マパールがレーザー焼結法を駆使したリーマと3Dプリンタ採用のチャックで差別化。メカトロテックでの話題性抜群か

マパール株式会社

マパール株式会社

ハイトルクチャック

 

  •  マパールはメカトロテックで多様な工具の提案を行うが、とりわけ注目すべきは、レーザー焼結法を採用した世界初となる外径リーマと、3Dプリンターを活用した油圧式クランプのハイトルクチャック(HTC)スリムタイプ(3度テーパ)を挙げたい。
  •  レーザー焼結法を採用した外径リーマの特長は、重量が大幅に軽減されことによるメリットの享受にある。
  •  たとえば、従来のスチールツールで、外径8・5ミリの加工用ツールは、その重量が400グラムに達し、結果として生じる慣性モーメントによって、大きく回転速度が制約を受けてしまう。しかしながら、レーザー焼結法による重量の最適化によって、生産性の大幅な向上が期待できると言う。
  •  新たに開発されたツール内部のリブ構造によって、リーマの重量は従来の半分程度に当たる172グラムで製作することを可能にした。この外径リーマを加工現場で採用して、高速・高精度の加工を体感する事例として、試みてはどうかと思う。
  •  3Dプリンターによって製作されたハイトルクチャック(HTC)スリムタイプは、すでに量産化に成功。他社に先駆けて世に問うことができた。

 

  •  3Dプリンターによる最大のメリットは、従来、機械加工できなかった、細くて、長い形状が実現できることにある。
  •  ほかに特長をなぞっていくと
  • ①油圧スリーブ(別パーツ)と本体のロウ付け整合をなくすことができ、170℃までの温度条件下で安定的なクランプを実現
  • ②油圧のクランプポイントを可能な限り上部に設計できるため、口元部分までの強固なクランプと優れた同軸度が達成可能
  • ③先端3度テーパながら、焼きばめに匹敵する先細形状を実現(径3ミリ先端口元径10ミリ)‐といった点が指摘できると言う。

 

  •  また、幅広い用途に対応する、このチャックの利点を追っていくと
  • ①スリムタイプのため、金型や自動車関連、航空機分野の微細形状部品に対応する
  • ②焼きばめ同様の用途が見出され、工具交換時に高価な焼きばめ装置も不要。レンチ1本での簡単かつ、迅速な工具の脱着を可能とする
  • ③油圧クランプ技術による優れた振れ精度と制振機能による工具の長寿命化
  • ④すべての工具シャンクに対応(フレット部があるシャンクでもOK)、空締めが原因の故障なし
  • ⑤最小クランプ径3ミリから対応(20ミリまで)
  • ⑥様々なインターフェースに対応(二面拘束型BT30、40、HSK‐A40、63、100、HSK‐E40、50)
  • ⑦多彩な首下長をラインナップ(85ミリ~200ミリ)‐など。

 

  •  マパールでは、3Dプリンターによって、性能的メリットが見出せる場合、今後も、この技術を適用していくとしている。
  •  舟橋社長によると「来年4月の在庫体制確立のため、準備を急いでいる」そうだ。

 

レーザー焼結法を採用した外径リーマ

レーザー焼結法を採用した外径リーマ