今年と来年の2年間で総額500億円投資。THK

THK株式会社

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今野THK副社長

 

  •  LMガイドやボールねじの調達如何が工作機械の納期を決するとまで言われるようになってきた。機械要素部品の重要性を再考させられる所以だが、本紙はメカトロテック会場で、この分野のリーディングカンパニーとも言えるTHKブースを訪問。今野宏副社長に面談し、サプライヤーの立場から今後の生産能力アップへの対応含め、インタビューを試みた。

 

 

  •  直近の話題から入ると、本社を移転し、10月10日から業務がスタートした。
  •  「本社機能の移転だけではなく、テクノセンターや東京支店、上野支店および関係会社の本社事務所等も統合。部門間のさらなる連携強化と業務の効率化、就業環境の改善を図るとともに、災害時等の事業継続計画(BCP)の対応強化をも目的とした」と語る。
  •  災害リスクを考慮した安全な建物を志向して、新本社には自社製の免震装置が導入されている。
  •  景況への認識については「昨年11月から半導体・スマートフォン関連が動き出し、今年に入ると『激走』を始めた。スーパーサイクルと形容できる、その景気は、特に中国の製造業で『世界の工場』から半導体産業への投資、創出に見られるように『付加価値の高いものづくり』の志向が大きく影響しており、需要の半分以上を占めている」とし「(人手不足による)ロボットを活用した自動化の流れ、そのうねりは、過去最高を更新する勢いにあり、工作機械も3月以降、力強い受注が月を追うごとにさらに激しさを増し、鍛圧機械、プレス機械、医療機械・・・とまさに全業種が活況を呈している。しかも、その需要は、中国を筆頭に、東南アジア、欧州、北米、インドとワールドワイド。初めてのことだ」。
  •  今野副社長は、各国の製造業の購買担当者による景気指数、PMIが53から58というかつてない高い数字を示している(50を超えると景気拡大と判断)、とも付け加えた。
  •  急速に高まっていく需要に対して、年初からTHKもマンパワーの確保、増強に走るものの、人を集めにくい状況は、同社とて例外ではなく、グループ会社からの人の「投入」を含め、この1月から9月まで250人を確保するのが精いっぱいだったと言う。
  •  が、同時並行して実施されてきた自動化への投資、その効果によって、今年末までには生産能力を年初から3割アップさせていくことが、ほぼ可能になってきた。
  •  「8月に発表させて頂いたが、2017年、2018年の2年間で500億円の投資に踏み切る。ベトナム工場の増産、中国・常州工場の生産能力アップ、国内では山形工場の増強にそれぞれ着手。生産レベルの向上により、来年末までには、需要にキャッチアップできると考える」。
  •  来年の見通しについては「2018年も、フラットパネル、半導体、スマートフォン、建機などの好調を背景に、現状の旺盛な需要レベルが継続すると考えられるが、これらにしっかりと応えていく」。

 

Nextageの説明には多くの来場者が聴き入った

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