4月末までにリーマ、ドリルの新製品披露へ。「工場統合による多能工化を期待」(安部川栄工舎社長)
安部川洋司栄工舎社長
- 前工程を手がけていた広神工場を統合し、昨年10月から旋盤~フライス~熱処理~研磨~検査という一貫生産体制を確立した栄工舎新潟工場だが、設備投資も平行させながら、効率性、生産性追求の手を緩めることがない。栄工舎の安部川洋司社長を年明けに訪問し、新春インタビューを行った。
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- 工場統合を図った効果に繋がるが、今後の「多能工化」の育成に期待している、と安部川社長は語る。
- 「融和効果とも言い換えられようが、今後、どのような『発展形』が開示されてくるか、期待しない訳にはいかない。稼働開始から2カ月と少しだが、受注から納品までの日数が早くも短縮されて、旧来では難しいと思われる納期でも、対応可能になってきている。生産能力がアップし、生産余力がさらに向上してきた、この現実を、営業における差別化に活かさない手はないと考える」。
- ハイス工具は、特殊モノが多くなり、標準モノでは、超硬化に歯止めがかからないと言う。
- 栄工舎の決算は4月になるが、今期という括りでは、売り上げについて前期比4%~5%アップで計画されている。
- 「4月末までに新製品3点をリリースすべく準備を進めている。リーマ、ドリルほか、レパートリー拡大を含め、披露させて頂ければと思う」。
- 2017年、よく動いた商材を挙げてもらうと「球面カッタ、Oリング溝加工用カッタ、小径のTスロットカッタほか、高硬度用リーマへの需要も高くなってきた。スマートフォン関連が多く、海外からのオファーも拡大してきた」そうだ。
- 今年は、JIMTOFはもちろんだが、9月に独・シュトゥットガルトで開催されるAMBにも継続出展するほか、3月の独・アウグルブルグのグラインドテック視察にも積極的に取り組む。
- 「工場スタッフにも、積極的に海外の展示会に行くよう、呼びかけており、グラインドテックには、初めてドイツに行くことになる者も含まれる。海外での工具のつくり方、使い方を吸収してもらい、持ち帰って工場内全体の『財産』として、育てていけるような土壌を形成させていきたい」。 設備投資では牧野製「SS7」の導入を検討 工場サイドでは、2018年も設備投資に余念がない。
- 「高齢化に伴う、自動化への対応は、今後、益々、重要になってくると思う。この流れに沿う設備として、現在、牧野フライス精機のSS7の導入を検討している。100分の5ミリまで対応できる、小径用として、機械化を進めていくことになる」。
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- (取材メモ) 統合された新潟工場では、レクリエーションや体つくりにも繋がる「ジム」スペースが設置され、地元の、横断的な、ものづくり「組合」の方に羨ましがられることもあるらしい。ものづくりは、体づくりから、を実践する新潟工場に、今年も訪問するタイミングを見出していきたい。
統合によって「ジム」スペースが生まれ、体力づくりの場にも