亰二が株州工具と交流会。中国工具手掛けて10年を機に。今期の中国事業は売り上げ6億5千万円に設定。
湯技術統括氏(右))と博海外マネージャー
- 中国切削工具の輸入販売を手がけて10年を迎えた京二は、このほど、超硬工具の中国最大手である株州工具から湯愛民技術統括と博暁年海外マネージャーを招き、中国工具の現況について講演会を開くとともに、京二が今年実施する「中国プロジェクト」の内容を愈箴潔亰二上海総経理が発表した。
- ◆
- 株州工具は、超硬チップ、バイト、ソリッド超硬ドリル、エンドミル等の生産ラインを有する超硬工具の総合メーカーとして名を馳せているが、超硬原材料であるタングステン鉱山を所有している優位性があるため、原材料高騰時に強いのが特長。研究開発も積極的で、年間売上の5%を投じ、母材の材質の見直しやコーティングのさらなる微細化、チップのブレーカーの設計等に注力。自動車、鉄道、航空機、エネルギーの各関連事業に邁進している。
- 主力製品であるカッター・バイト、チップ、超硬ラウンドツールについては、2015年からの3年間、日本市場へ年間約1億円を出荷、堅調に推移している。製品別には超硬ラウンドツールの大幅増とは対象的に、チップの競争力で課題を残しており「一刻も早い回復が必要。これには、新材質(YB6315、YB7315、YB9320)の発売や、チップ購入時に無償でカッターをキャンペーン提供して中国工具の良さをアピールしていきたい」考えで、「商社の力を借りて、日本での販売に期待したい」として、京二との更なる協力関係構築を訴えた。
- 市場における需要の変化がめまぐるしいなか、高速加工や高送り加工に代表される「高効率加工」、「高性能材料」の汎用化、パソコンやスマホなどに求められる「高い面精度」、量産から小ロットへ、あるいはオーダーメイドへと変わる「新生産方法」、ロボットによる「自動化生産」、多刃両面チップなどにみられる集約化または低価格化を考えた「工具の経済性」を背景に、荒加工用「EMP09シリーズ」、仕上加工用フライスカッター、肩削りチップ(A型チップを改善したAPF/APM/ALMブレーカーとXR高送りシリーズ)、ブレーカーの新材質を検討。
- 工具の新素材に関しては、YB6315は鉄の加工、YB7315は鋳物の加工、YB9320はステンレスの加工向けとし、京セラ、タンガロイ、テグテックの各社製品に合わせて開発を行っている。 一方、京二の中国事業について、言及していこう。
- 京二は、中国の関連会社である京二上海と合わせて、2018年の売上目標を6億5千万円に設定した。
- 「納期対応、価格回答、キャンペーン実施でお客さまの心をとらえたい」とし、戦略的には「充実の商品群で加工現場へのトータル提案力を磨く」。
- アルミ仕上げ加工用特殊ダイヤモンド工具の取り扱いを模索 荒加工~仕上げ加工用超硬標準工具は株州工具から、また、特殊設計工具についても株州工具と上海華昇から仕入れる計画。アルミ仕上げ加工用特殊精密ダイヤモンド工具は現在日本への輸出実績は無いが、今後、取り扱いして事業拡大につなげたいとした。
- 商材の差別化継続へ さらに、ハード鋼材仕上げや鋳物高速加工用ターニング、フライス標準&特殊設計CBN工具、バリ取りシリーズにも参入したい意向を示し、さらなる商材の差別化を模索する一方、品質管理にも目を配る。
- 中国現地で「抜き取り検査するくらいの覚悟を決めて」おり、そのうえで「営業体制を固め、多くの製品を取り揃えてトータル的に提案できれば、顧客の信頼を勝ち取ることができる」と確信する。 商社は工場と顧客をつなぐだけの仲介業であってはならない。全スタッフが、図面交換をはじめ、精度確認、クレーム対応、納期管理、物流管理等について責任をもって実行し、サプライヤーとして3社間(製造元・顧客・商社)で信頼関係を構築する。納期や価格などについて絶えず情報をやりとりして、最後に生産者と顧客をウィン・ウィンの関係で等しく結ぶ。京二が「中国工具のパイオニア」と呼ばれるのは、このように大切な役割を自覚的に担っているが故であろう。
挨拶する愈京二上海総経理
開催趣旨を説明する井口社長