樹脂加工で試作を手がける愛知県のJPキュービック訪問。ユキワ製製スーパーG1でビビリ抑制達成。
ロボドリルに装填されたスーパーG1チャックを指さす武藤技師長
- 外観は、都心の美容室風、扉を開けると、まるで何かのファッションイベント会場に紛れ込んだような、おしゃれな室内レイアウトに目が釘付けになる。
- 樹脂加工の試作をメインに手掛け、設立は2005年の5月。創業から13年が経過している。
- 「当社で作られた製品自体が、品質を保証していくものでなければならない」との信念を抱く伊藤雅彦社長の前職は、金型・成形の量産のアッセンブリーに関わる仕事や試作に従事していた。
- 「試作の面白みは、世の中の新しい技術に関わることができる魅力にある。それに開発部門は、日本に残ると考えられるから、勝負に出られる分野であるだろうと」。
- ただ、創業当初の5年間は、技術商社として生計を立てており、樹脂の切削加工を請け負うようになる、ものづくりを標榜するようになってからは7年になる。
- 「顧客は、関東を中心に100数十社を数えるが、仕事の70%~75%は『特命』で請けており、それ以外では、仕事内容を当社が選択する」という筋金入りのプロ。
- 試作は「一品もの」であり、しかも「夕刻に図面が出てくることが多い」と言う。
- 「夕刻ばかりか、週末や大型連休前の注文が多い。そのうえ、試作品は、量産品に比べ高額となるため、感覚的に水商売に近い。ロット数は1個から数十個が標準。明日の仕事が見えてこないこともあり、計画的に仕事が進められない」。
- だが、直近の、4月の生産金額は、1人当たり600万円という、目を見張るような実績だ。
- 現場には、ファナック、マザック、DMG森のNC旋盤やマシニングセンタが並ぶ。
- 入社8年目になる武藤雅也技師長は「現場で課題となっていた『ビビリの抑制』について、2年前に取引商社に相談したところ、ユキワ精工のスーパーG1チャックを勧められた。切削条件やワークのクランプ強度、それに問題視していた刃物のビビリ等を他社製と比較。結果はすぐに出て、スーパーG1チャックを使えば、寸法精度でも100分の1の公差を難なくクリアした」。
- 以来、ロボドリル6台にスーパーG1チャックを装填しているが、「精度モノ」には必ず、適用するそうだ。
- 「Ra9ナノというレベル。壁加工でも、きれいな面が仕上がる」他社の追随を許さない。
- 2017年度は、6000件以上の案件をこなした。3年前の4000件と比べると、段違いの規模だ。
- 検査設備も充実しており、キーエンス、ミツトヨの最新鋭機が据えられている。
- 「技術革新が必要とされる新製品の開発において、最新技術のトップリーダーであり続けたい」と伊藤社長は力強く言い放った。
検査室も測定器そのものの充実にとどまらない、実におしゃれ
工場内も実に「端正」だ