「闘うマーケットの領域を設定し、邁進していく」-齋藤智義サイトウ製作所社長
齋藤社長
- 「需要は高原状態が続く中、今後も見据えてマーケットを主体的に設定できるようにしていきたい」と語る齋藤智義社長。「百貨店」ではない以上、物づくりでも販売の側面でも強くなるためには「闘う領域を自身で決めていく」ことを意識する。
- 取り引き2年目に入ったイタリアの代理店の社長から「(アトムの)種まきには時間はかかるが、認知されれば、顧客は絶対に必要とする」との評価が寄せられているが、この声は、メーカー自身のスタンスの大切さを促してもいるだろう。
- 「面倒を価値に変えるモノづくり」を標榜するサイトウ製作所は、その過程で、人がやらない、やりづらい仕事を志向する。
- 「面倒なものでも、否、面倒であるが故に単なる自動化や、量産という手段だけで市場での存在価値や、利益を創出し続ける事は益々難しくなってゆく。面倒な物にこそ、弊社が蓄積してきた強みと、最先端の技術や装置を組み合わせる事の効果が見込める。旺盛な需要も影響して、角田工場では、若いスタッフによる旧来の壁を打ち破ろうとする動きが出てきた。半面、『生みの苦しみ』を味わい始めている」。
- 自動化一辺倒では不可能なものづくりという特性は、「混在ライン」ならでは。現場での、創意工夫しながら「壁を打ち破る試み」は、大手ではやりづらい、強みに転嫁できる可能性の追求に他ならない。
- このほど大田区の「Pio」で開催された微細精密加工展に出展したが「来場者は、量ではなく、課題を抱え、解決を求めてくる」重要性を齋藤社長は指摘する。
- 6月の機械要素技術展、9月に入れば、米・IMTS(シカゴショー)、独・AMB、そして11月には日本でJIMTОFが控える。
- 「刃型や溝形状にこだわりながら、新製品を発表できる場にしていきたい」。
- 好調に推移する受注への対応、若い工場スタッフの「生みの苦しみ」、新製品開発の追求・・・いずれを取っても、創業85周年を機に新たな成長を約す課題となる。