平面度10ミクロン以内に収める金型のプレート研磨で活躍する岡本製PSG106CA1
高見澤社長
- 化粧品関連のキャップに代表される、丸ものに特化した樹脂金型を手がけ42年になる木之下製作所を訪問した。
- 髙見澤潤也社長は創業者の父から3年前に責任者のバトンを受け継いだが「特に、後継者を意識していた訳ではなかったが、幼少の頃から、自然と父親の背中を見ていたのか、工業高校の機械学科で学び、その後、設計を身に付けるため、専門学校へ。卒業と同時に何のためらいもなく、26年前に入社した」と苦笑いしながら自身の経歴に触れてくれた。
- 金型設計から材料取り、金型部品加工、鏡面磨き、仕上げと言う一連の流れ中で、熱処理と表面処理以外は、すべて社内で手がけ 「顧客の困りごとに対処するため、製品設計にも関わるほか、試作にも配慮し、射出成型機を導入している」仕事ぶりは、現時点で9月末まで生産フルの受注を抱えており「待って頂いていることに感謝している」状況にある。
- 顧客は、地元の足利ばかりか、長野、茨城、東京、埼玉、静岡、山梨と多方面。企業数では13社程度をメインに受注しているそうだ。
- 「化粧品に関わる金型がメインの中、ペットボトルやエアゾールのスプレー関係やポンプ関係、化粧品用チューブ・・・顧客には容器専業の企業もあり、そのバリエーションたるや実に豊富」だそうだ。
- 金型製作でポイントになるのは、キャップで言えば、キャップ内部のネジ部には適度な隙間はあるが、バリが出ないこと‐が重要になる。
- 岡本工作機械の平面研削盤の役割は、平面度10ミクロン以内に収めないといけない、金型のプレート研磨。金型の「生命線」を左右するとも言えようか。
- 「中古で購入し、10年以上活用してきた従来機に代え、2年前にリリースされた汎用の精密平面研削盤PSG106CA1を昨年12月に導入した。仕上がり精度の向上はもちろん、移動距離がサーボモータで制御できることから、前後に行き止まりがあるワークを自動で加工ができる為、人が付いていなくても良く、効率的な仕事にも貢献してくれる。さらに自動ドレス機能が付加されており、面粗さの安定、『艶の良さ』にも繋がっている」と言う。
- プレートの荒取りを終えて2日、3日で集中して手がけるそうで、「現時点で、月間で20日間、稼働させている」。
- 現場では16人のスタッフが働く。30代の人もいれば、60代の人もいる。平均年齢では40代後半になる。 「新たに機械設備が入ったときは、若い人に担当させる。社内教育の一環だ」と髙見澤社長はきっぱり。
- 会社名は、父である会長の実家(長野・佐久市)の屋号から取ったそうだ。
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- 汎用精密平面研削盤として2年前にリリースされた。
- セールスポイントは「今まで通りの作業を、今まで以上に速く・高精度に・簡単に」。大型のタッチパネルを採用したが、研削条件の設定箇所を従来機と同じにすることで、すぐに操作に慣れることが可能。
- また、研削時間では、シフトプランジ機能とドレス作業を自動化させる自動ドレス機能により、従来よりもオペレーターの関わるサイクルタイムを30%短縮させることが可能となる。
プレートの平面度は10ミクロン以内が求められる
昨年12月に導入されたPSG106ACA1
射出成型機を導入し、試作にも注力する