今秋から生産能力20%アップ図る碌々産業。納期対応半年以内を掲げる。
海藤満碌々産業社長 |
工作機械業界は、全体的に落ち着いてきた。同じような趣旨を冒頭、碌々産業の海藤満社長に確認すると「台湾需要を筆頭に、継続して高い受注状況にある」との回答が即、返ってきた。
例えば「AndroidⅡの受注を今、頂いても、お届けは来年4月くらいになる」そうで、今秋から20%の生産能力アップを図り「納期対応半年以内」を課題に掲げる。碌々産業は未だに「落ち着きがない」と言えるだろう。
「特に台湾はもっともっと忙しくなることが予想される。半導体関連、微細金型関連の顧客では、台中~台南にかけて新工場の増設ラッシュを迎えており、設備投資を刺激しているからだ。MEGA、CEGA、そしてAndroidの認知度が高まり、口コミによる評判が、引き合い、受注に直結している。精度を求めるユーザーからの、他社製からのリプレースも発生しており、私自身、2カ月に1度の頻度で訪台している」台湾需要の高さを語る。
中国からの需要も、EMS系の台湾企業の中国進出に伴う需要であり、エリア的には重慶、西安から発生している。
微細加工機のリーディングカンパニーを標榜する同社だが、リーマンショック後の2011年からの微細加工機の納入実績は、既に数百台レベルに達していると言うから半端ではない。
「国内については、昨年は9月以降減速したが、通期で見て10%の伸びを記録。最近の需要の特徴は、超硬合金加工、鍛造・プレス金型関連からの直彫り、鏡面志向が挙げられるだろうか。直彫りによる鏡面加工は、見かけの綺麗さだけではなく、滑りの良さ、面粗さの向上、さらに金型そのものの長寿命化にも関わってくる」。
今期についても、国内は「マイナス要素は見当たらない。ものづくり補助金の成否にかかわりなく、購入を検討するユーザーは多い。特に金型と成型双方を手がける企業は、非常に忙しいようだ」との現況と見通しを立てる。
他のエリアについて海藤社長は「北米は良くも悪くもない。スイス(ジュネーブ)には6月の展示会にAndroidを出展し、鏡面仕上げの反応を見る。ベトナム・ハノイは、顧客の進出もあり、微細加工機の市場としてはまだ、早いものの、種を蒔いていくつもりでいる」と言う。