日本市場は自動車、航空機分野で強み活かす-ワルタージャパン。
プレスカンファレンスに臨む右からミルコ・メルロCEO、キム・サイデルマンアジアパシフィック社長、今江博之ジャパン社長
- JIMTОF開催初日に当たる11月1日、ワルタージャパンは、東京ビッグサイト近くでプレスカンファレンスを開催。ミルコ・メルロCEO、キム・サイデルマンアジアパシフィック社長、そして今江博之ジャパン社長ら幹部が顔を揃えた。
- メルロCEOは、まず、ワルターの概要について「世界10カ所に製造工場を擁し、4カ所に在庫センター、3500人の従業員を抱える。顧客は80か国にまたがり、その数は1万5千。当社は4つの異なるブランドを抱えるが、それぞれの歴史を足し合わせると400年になる」と説明。5年以内にリリースした新製品の売上は全体の35%以上に上り「毎年2500アイテム以上の新製品を市場に投入しており、受注の50%以上はウェブ経由になっている」とも。
- 「製品にフォーカス」した取り組みから、ここ数年は「顧客のプロセスそのものにフォーカス」するとともに「個々の加工ではなく、コンポーネント全体とどう取り組むかという問題意識。デジタル化によって、様々な場面、見地からソリューション提案が可能になってきたと思う」と述べた。
- また「コンポーネントそのものの軽量化をはじめ、低燃費、環境負荷低減、進化した素材・・・の加工が求められている。特に自動車産業分野は」と指摘。製品開発のスタンスとして「80%程度まで仕上げて、残りは顧客と一緒になって100%に敏速に到達できる仕組みづくりを目指している」と言う。
- グループには、ソフトウエア開発の専門会社、コマラ社があり、たとえば、テーブル送りを自動制御で最適化するアプリ「iCut」をはじめ、デジタル化の「一歩先」を歩み、ソリューションの提供を目指す考えを強く押し出した。
- ワルタージャパン設立10年、ドイツ本社は来年で100周年を迎える。
- 「日本のマーケットは巨大で、アジアパシフィック地域の成長のカギを握る。戦略的コンポーネントを持つ自動車と航空機、この2分野で、当社の強みを発揮していきたい」とのサイデルマン社長に続いて、今江社長は「昨年7月に入社した。ワルターはいい製品を沢山、持っているが販売体制ができていない、との指摘を受けるなか、増員に努めるとともに、東京営業所を開設。サポート面での強化も図ってきた。ジャパンは変わっていきます」とジャパンの変革を「宣言」した。
- 最後は新製品「Xtra‐tecXT」について、開発担当者が解説。
- 肩削りカッタ「M5130」は、刃数を多くし、送りを上げていくことで、生産性向上を図っていく。正確な「90度加工」が可能なため、荒~中仕上げ~仕上げを、この1本で対応可能。
- フェースミル「M5009」は、正方形両面使い8コーナーチップを採用し、安定性が高いうえ、傾斜付きのクランプスクリューを備えるなど、正面フライス加工で優位性を発揮させていく。
ブースで披露された新製品「Xtra‐tec Xt」
ワルタージャパンは設立10年を迎えた。写真は飛翔を誓う今江社長