自動車の軽量化に伴う研削レスニーズ視野に入れるタンガロイ。ターゲットとする領域の拡大を意識
来場者の質問に熱心に応えるタンガロイスタッフ
- 「何で、そんなに人が集まっているの?」と同業他社から不思議がられたと言う。 11月4日、取材で訪問すると木下社長は開口一番「初日は1000人、2日目は3000人、3日目で5000人と予想以上の来場を頂いている」と語った。ブースは常に人でいっぱいで「混んでいるのが普通」。
- ブース来場の目的は、人それぞれに違いないが「新商品出展の多さ」と無縁ではないだろう。
- 「現場の人の意識は、常に生産性を上げていくことに向けられている。新商品の何が新しいのか、自らチェックされながら、ブースを回っておられたと思う」。
- 今回の見せどころのひとつは「材料と形状の組み合わせによる」高能率化にある。
- 例を挙げると、正面フライス加工用の「T3225」、肩削り用の「T1215」などが名指しできる。 T3225は、非常に高い欠損性を備えたCVD材種に選定されており、安定した条件での鋼・ステンレス鋼の高速転削加工に適する。
- 一方、T1215は、中~高速の鋳鉄転削加工において、広範囲にわたり優れた耐摩耗性、耐チッピング性を備えている。
- 「工具材料を自前で作れることのアドバンテージを形にしない手はない」との認識がベースにあるようだ。
- だが、タンガロイブースへの集客力で、見逃せないのが工作機械メーカーとのコラボレーションだろう。
- 「JIMTОF出展の工作機械102台に当社の工具が搭載、デモ等で活用されている。占有率にして39%。東ホールで見学されて、どこの刃物が使われているか、確認後、足を運ばれて、見に来られた方も多いのではないか」。
- 機械メーカーのブースでは、インサートの自動交換、工具寿命の計測なども行われたと言う。
- 「IoTに関連して、工作機械メーカーの方も最新の工具に高い関心を持っておられる。今後も、コラボレーションを追求していきたいと思う」。
- JIMTОF終了後は、特に新規来場者への対応をきっちりと行っていく方針だ。
- 「2019年を展望していく段階に入ってきた。米中貿易摩擦の広がりの可能性など、雲行きの怪しさも出てきたが、当社は生産性をより、上げていくための、工具づくりへの投資の手は緩めない。自動車の軽量化に伴い、研削レスニーズが発生してきた。10ミクロン単位の世界を工作機械で手がけていくプロジェクトも増えてくるだろうと思う。小物部品加工にも注力していきたい。ターゲットとする領域の拡大を意識し、取り組みを強化していきたい」。
木下社長