シーケィケーのタイでの再研磨事業。1年間で月産本数が倍増。
服部営業技術主任
- 今年1月から、径0・1ミリ~径4ミリを狙って、本格的なスタートを切った「Thai CKK Trade」の再研磨事業。もうすぐ1年を迎える、その軌跡をヒアリングするため、タイメタレックス出展中のブースに、この分野の業務を所轄する服部営業技術主任を訪ねた。
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- 「工具種で見れば、ドリルが6割と最多で、エンドミルが3割と続く。残りはチップ関連ほか、で占める。アマタナコン、ラヨーン、コラートが取引の中心で、顧客数では、およそ40社。自動車関連が多い」と言う。
- 1月のスタート時点で月産1500本、10月時点では3000本と倍増している。
- 「特にドリルは径1ミリ以下が多く、従来(7年前まで)は、使い捨てしていた世界をフォローし得てきていることが、受注量の拡大に繋がっている」。
- 刃型の改造ニーズもあり、現場で評価される過程で信頼を得て、新品工具の販売にも寄与するようになってきた。 「営業はタイ人スタッフが基本的に担っているが、日系企業のマネージャークラスは、本社専務の澤田純嗣が対応している」。
- 汎用機3、4台駆使しながら、再研・再コートを手がける。
- 「刃型のみならず、コーティングについても、加工内容を見せてもらいながら、どのような被膜が適切か、順次、提案させて頂いている」そうだ。
- 服部主任は、再研磨を手がけて30年になる、まさにプロ。タイでは貴重な人材になろう。納期は、品質保証をきっちりと実施したい、とのことで3週間。ニーズによっては2週間対応にも応じる。
- 「日本本社に研修に出ていたタイ人スタッフ3人が10月に戻ってきて、改めて再研磨業務を再強化していく段階を迎えた。月産で5000本、6000本までの対応はできる。実践的な社内教育、セールスの拡充を通じて、やれない数字ではない」。
- 径1ミリ以下の工具の再研磨は、今でも使い捨てが多くみられる。タイの市況とは関係なく、需要はまだ、相当あると見ていいだろう。
- 一方、澤田専務には、タイ事業の大枠についてコメントしてもらった。
- 「タイのスタッフ数が再研磨を含めると9人体制となった。新品工具の販売増は、再研磨業務、特に改良、改善での評価が貢献している面が大きい。カスタマイズして販売することもある。再研事業では径1ミリ以下は、ほとんど競争がなく、事業の拡大を展望でき更に設備増強とより広いサイズに対応する為、スペースの広い賃貸工場の検討を進め、2019年中には具体化していく方針」だ。
タイメタレックスブースで再研磨のデモを実施
澤田専務は、再研磨含めた事業拡張に備え、より大きな賃貸工場入居への検討に入った