PTS Tool Thailand 訪問、月産本数1万本を数え、売り上げベースでは、日本の7割に。
松村工場長
- 東陽のタイの関連会社「Precision Tool Service」(Thailand)の再研磨業務を担う「PTS Tool」を訪問。運良くPTS(Thai)の長崎俊也副社長に合流、同席のもと、松村工場長に、同社のこれまでの歩みに触れてもらいながら、商社のサービス機能としての再研磨業務について、直近の特徴を聞いてみた。
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- バンコクから工業団地に移動途中、地図を見ると、アマタナコン工業団地ではなくアマタシティー・チョンブリ工業団地に変更されていた。
- 「今年の1月から新名称になった。とは言え、700社が集積する、タイ最大規模の工業団地であることに変わりはない」と長崎副社長が指摘する。
- タイ洪水後、ラヨーンで操業し、顧客対応していたが、2014年10月に、営業拠点とともに、新設したこの地に移った。
- 「私自身は、翌年の2015年に着任した。もともと、歯切り工具でスタートしたので、ブローチ関係が20%から25%と多く、ドリル、エンドミルは30%近くを占める」と松村工場長。
- 他に総型カッター、リーマ、タップと扱う工具種は多岐にわたる。月産本数では1万本を数え「売り上げベースでは日本の70%」だそうだ。汎用機ほか、NC機では、ロロマティック、ワルターが目立つ。
- 「2018年に入り、自動車関連の顧客からの動きが活発になり、土曜日は基本的に出勤体制を採っている」。
- 再研磨を担うスタッフは総勢50人近く。PTS(Thai)の営業拠点のあるバンコク、アユタヤ、ラヨーン、プラッチンブリ、アマタナコン、チェンマイ各エリアからの需要に対応する。
- 「工場長としての仕事は、設計、製造ばかりか、営業、保全にも関わりを持つ。当社は、付加価値の高い受注を志向しているので、単なる再研磨ではなく、刃先の改造ニーズ、刃型の工夫も視野に入れて、顧客満足度アップに努めている」。
- 今年に入り、既存ユーザー1社からの受注量が増えてきているようだが「新規に進出してきた企業に対する開拓の余地が高いことから、エリアで見ればラヨーンからの比重が高まっており、売り上げに半分近くを占めるようになってきている」そうだ。
- 自動車関連業界は2019年も、堅調に推移すると予測される状況下「設備能力的にもまだまだ生産余力はある。来年は15%アップを目指していきたい」との目標を設定している。
- 最後にトピックスとなるが、PTS(Thai)が来年、2019年には設立20周年という節目を迎える。
- 長崎副社長は「1999年に創業した。現在、営業スタッフは120人、再研磨工場には50人を擁するまでにご愛顧いただいている。機械以外を『工具』(油・空圧、メンテナンス関連含む)として分類しているが、現状で月ベース4億円。20周年には5億円はやっていきたい」と意気込む。
ブローチ関連での実績が高い
汎用機も自在に扱うタイ人スタッフ