国境に囚われないビジネスを志向する。サンドビックのマイケル・エネベリ社長インタビュー
マイケル・エネベリ社長
- サンドビックの社長としての職責に留まらず、日本を含むコロマントの活動にも積極的に関わるようになっているマイケル・エネベリ社長を訪問した。業界全体の懸案事項である納期対応をはじめ、グローバル企業としてのあり方、日本市場へのアプローチ等を再確認しつつ、2018年の総括と今年の展望を含め、トータルな取材を試みた。
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- 標準品の対応について― 「日本市場に関わる標準品は、主に出荷されるシンガポールの物流センターとその他の物流センターに90%以上が在庫されている。シンガポール物流センターからは、24時間以内に対応している。欠品があれば、製造スケジュールを確認しながらの対応となる」。
- ラウンドツールについては一部、欠品が見られたものの、昨秋には設備が導入され、回復しつつあると言う。
- 「一方、国内製作の特殊品は、7から8週間の納期。約束した日程を守れるよう、グローバルでの対応を強化するとともに、ニーズに即応するためテーラーメードの範囲を拡大させてもいる。テーラーメードの納期は4週間となっている。」。
- 完全な国際化を目指している、としてエネベリ社長が強調するのはセールスエリアを分割する「クラスター制」に表れている。
- 「2016年にセールスエリアを6つに分割し、国境に囚われないビジネスを目指している。例えば自動車産業はグローバルな生産を推進しており、そのフォローに特定の国を意識することはない。生産に対するアプローチであり、私自身、インドネシアに3年間、在職していたが、お相手させて頂いていた、そのほとんどは日系企業だった」。
- 日本は静岡以東を「東」、以西を「西」の2つのクラスターに分割した。
- 2018年の業績は、5%~10%の伸びを示し「グローバルよりも良かった」ようで、製品では、スーパーUドリルほか、チップ材種の能力アップに寄与するCVDコーティングの「InveioⓇ(インヴェイオ)」、PVDコーティングの「ZertivoⓇ(ザーティボ」それぞれの特長を活かした「GC4300シリーズ」「GC1130」などの反応が高かったと言う。
- 「2019年は若干のプラスを目指している。半導体関連の需要が高い東エリアの強化、特に営業スタッフの拡大に努めていく。他の産業では、航空機、建機分野で伸長していきたい」。
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- (取材メモ) エネベリ社長は1977年生まれの42歳。サンドビック入社を決意したのは「スウェ―デンの製造業で5指に入る大企業」と言う魅力からだった。