スーパーG1チャックによる高能率加工セミナー開催。長岡の加工グループ「NAZE」のメンバー17社19人が参加

ユキワ精工株式会社

ユキワ精工株式会社

講習会では小千谷市の特徴も語られた

  •  ユキワ精工は3月20日、小千谷本社でスーパーG1チャックによる「高能率加工セミナー」を開催。長岡の加工業者を中心に構成される、長岡産業活性化協会「NAZE」のメンバー17社29人が参加した。講師は酒巻弘和社長自らが当たり、ツールホルダー製作の経緯をはじめ、その役割や種類、特徴などについて概説した後、工場を見学。スーパーG1チャックの把握力や剛性、振れ精度など、他社製と比較検証した。

 

 

  •  ユキワ精工におけるツールホルダー製作のきっかけは「輸入品のコレットの納期が長く、当社で製作を!とのニーズの高まりを受けスタートした」と言う。
  •  「切削加工のユーザーにおいては、良い機械、良い切削工具を使用していても、間に入るツールホルダーはあまり気を使われていない傾向にある。しかし、ツールホルダーは機械の主軸と切削工具をつなぐ重要な機器で、ツールホルダー次第で機械と切削工具の性能を最大限に引き出すことが可能となる」。
  •  ツールホルダーの種類はコレットホルダーのほか、ミーリングチャック、焼きばめホルダー、ハイドロチャック等があるが、コレットホルダーのメリットは、コレットを交換することにより把握径を変えられ、また、剛性の高さ(横に倒れない力)があることが指摘された。
  •  「実際のユーザーにてスーパーG1チャックを使用することで享受できた効果としては、①工具寿命の向上②ワーク面粗度の向上③サイクルタイムの短縮④工具交換時間の削減が挙げられている。この裏付けとして、当社が重要視するのは①振れ精度②把握力③剛性‐の3点。特に静的振れ精度ではなく、機上での動的振れ精度を意識する。実際に回転している状態での振れ精度が悪ければ1本の切削工具での加工数に大きく影響を与える」。
  •  工場内での動的振れ精度の比較検証では、1万回転で他社が16ミクロンレベルに対し、スーパーG1チャックは4ミクロンと追随を許さなかった。
  •  「把握力では、ミーリングチャックに敵わないものの、コレットはダブルテーパになっており、口元までしっかりと把握。高い次元で、滑り、抜けを防止する」。
  •  さらに「剛性の捉え方だが、当社では、『横に倒れない力』と規定」し、ホルダー自体に負荷が掛かってもビビりにくい構造としている。
  •   また、セミナーの中では、スーパーG1チャックを使用することで生産性の向上やコストダウンに直結した事例の中から新潟県内の成功事例を中心に約15点を紹介した。  「IoT活用の事例では、紙の削減に対応しているが、今後、生産管理システムで、電子データのやり取りを通じたトライを実施していきたい」。
  •  工場見学後「銅電極を加工しているが刃物が持たない。どうすればいいか」「マシニングセンタで加工しているが、工具寿命の判定方法は?」「工場の天井が高いと感じたが、理由は何か?」といった質問・感想が寄せられた。

 

ツーリングの比較検証では参加者もトライした

ツーリングの比較検証では参加者もトライした

 

工場見学では酒巻社長(右端)に積極的な質問も

工場見学では酒巻社長(右端)に積極的な質問も