THK幹部に聞く、2019年後半の予測。主力のLMガイド、ボールネジは注残がかなり解消へ。

THK株式会社

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寺町副社長

  • 4月・名古屋(機械要素技術展)、5月・金沢(メックス金沢)で開催されたパブリックの展示会を通じ、寺町副社長による今期全体の予測・展望と対応、中野中部統括部長による中部の市場特徴、そして宮本金沢支店長による北陸3県の現況について、それぞれヒアリングを行い、まとめてみた。

 

 

  •  寺町副社長は「工作機械業界の受注状況、ロボットの生産台数は、ともに昨年までとは一変して、落ち着きを見せてきたが、昨秋から冷え込み始めた半導体関連は、ここに来て、一部立ち上がりを見せ始め、今秋からの回復に期待が持てそうな状況になってきた。液晶・フラット関連も昨年よりも調子が良く、後半からは上昇を予測できる。免震関連も、良くなってきたようだ」と顧客別の状況を概説する。
  •  ただ、自動化ニーズは高まるばかりで、ロボットの生産は増加傾向を辿っていくのは間違いなく、半導体やフラットパネル関連需要も、量的拡大は、「既定路線」ではなかろうか。
  •  生産と供給という面で、主力のLMガイドやボールねじなどの機械要素部品について見ると「注残がかなり解消してきており、かなりの製品は短納期で納入できるようになっており、次第に需要にキャッチアップしつつある」と言う。
  •  昨年から実施されているセミオーダーの納期対応では「顧客の意向にかなり添えるようになってきた」ようで、山形工場をはじめとする増産体制への期待は大きいだろう。
  •  「当社製品の構成は自動車部品で4割、機械部品で6割を占める。内外需で捉えれば海外6割、国内4割の比重になるが、2019年の見込みで、無視できないのが世界経済、なかでもアメリカ経済の動向。だが、政治的な要因も含め複雑に絡み合い予測が立たないと言うのが正直なところ」と語った。
  •  愛知、岐阜、三重のほか、北陸3県を所管する中野中部統括部長は「工作機械、特に旋盤系はフル生産が継続しており、注残もある。半導体は一部下期より増加傾向を予測するが、人手不足を背景とした協業ロボットNextaℊeへの反応、関心の高さがうかがえるほか、他のエリアとの違いで見れば、免震装置への意識の高まりは特筆できると言ってもいい」。
  •  JRタワー、スパイラルタワーといった名古屋市内で有名な建物には免震工事がすでに施され、さらにテレビ塔の免震工事も着工間近の中「BCPに関わる免震への意識が高い」としている。
  •  建物ばかりでなく、サーバーや3次元測定機の下に「免震テーブル」、人工透析、MRIなどの診断系の機器にも免震装置の組み込み需要が相当、ある。「早期復旧」という観点からも、需要が高まっているそうだ。
  •  「岐阜工場で、免震部品を製造しており、ボールねじを組み込んだダンパー部品の生産で多忙を極めている」。
  •  宮本金沢支店長による北陸3県の状況は「工作機械メーカー、鍛圧・プレス・搬送関連は注残があり忙しさが継続、売上は好調。産業機械からは、実需に近い案件の発注が目立ってきた。」。
  •  「エンドユーザーの設備の自動化、更新の案件が多くなっており電動化に絡むアクチュエータ需要の高まりが顕著」と省力化、自動化は加速を予想している。

 

THK中部統括部長

THK中野中部統括部長