開設3年目迎え、近未来工場を標榜するCominix テクニカルセンター
取材に対応してくれたテクニカルセンターの新木主任(左)と小山主任
- 2016年のオープン以来、取り扱いメーカーの工具テストやユーザーの困りごとの解決、社内教育の場として「切粉を出す商社」として、独自色を強めてきたCominix、その核を担うのが東大阪のテクニカルセンターで、新たな試みが始まろうとしている。新木主任にヒアリングを試みた。
- ◆
- 「3年目に入り、『近未来の工場のモデル』として、ユーザーとの密着度をさらに上げていきたい」と語る。 まず、取り上げたいのが「職人レス」への対応を目指したCAD/CAMソフトの活用にあると言う。
- 「アイコクアルファのソフトを活用して、当社の取り扱い工具をテストしてデータ取りして蓄積。CAMに落とし込んでテストデータとし、ユーザーの現場の経験値を織り交ぜ、発展させながら、『進化形』のデータベースとして保存、活用していくことで、職人レスへ対応していくトライアルだ」と言う。
- 図面→プログラミング→機械稼働という流れを客先に提示していくと言う。
- ふたつ目に挙げられたのが、コメートの「ツールスコープ」だ。
- 「加工状態の可視化と言える。機械主軸の電流値を読み取って切削条件を自在に変更でき、適応送りの制御ほか、工具摩耗の監視にも役立てられる。モニターにグラフ表示され、ヒトによる判断に依存せずとも、最適な切削条件が得られるというもの。加工機の種類を選ばない利点もある」。
- 現場の働き方改革、経験者数の減少に、直接対応できるメリットは大きいだろう。
- 「最後になるが、自社取り扱い工具と他社の工具との比較検証をアピールしたい。被削材ごとに得意なメーカーの工具を選び比較テストを行う。例えば焼き入れ鋼の加工で、H社の工具を選定して、最近ではYG1の工具で試し、時に勝つケースも出てきている」。
- 所在は東大阪だが、関西エリア以外のお客さんも足を運んでいる。
- 「販売店の方に連れて来ていただいている。マザックのマシニングセンタや旋盤が常設されているのを見て『商社がこのような設備を活用されているとは!今後、相談に乗っていただきたい』とのお声も。特に海外メーカーはテクニカルセンターがないので『代行』の役割も担える。生データの情報開示も行っている」。
- 近未来工場のモデル探しとして、足を運ぶことをお勧めする。
顧客からの困りごとに試削りも随時、実施している
比較検証の準備をする小山主任