外注比率高め、最終はオーエム製作所で組み付け。半期の売り上げ目標を45億円〜50億円に設定

株式会社オーエム製作所

株式会社オーエム製作所

佐脇社長

  •  オーエム製作所の2019年全体を総括すると、どうなるか、佐脇社長を訪ね、紙面化した。

 

 

  •  オーエム製作所は今年7月に設立70周年を迎え、佐脇社長は社員を前に「技術の伝承と若手教育に注力していく」ことを強くアピールした。
  •  「ここ4年~5年の間で、当社の社員の平均年齢が34歳と若返った。ものづくりへの意欲と楽しさを実感していけるようになることが何よりも大切で、新人は3年以内に組み付けができるよう、また、8年以内にはサービス・クレーム対応ができるよう、技術伝承とともに取り組んでいきたい。利益率アップの『源泉』は、まさにこの点にかかっているからだ」と語りつつ「立旋盤はニッチ故に強い」と言い添える。
  •  現在、1年間は受注残を抱えており、製造の枠で見ると、来期の上期までは8割方埋まっていると言う。生産効率を上げていくための設備投資も活発化しており、マシニングやベッド研磨、中ぐりなど、最近の2年、3年で7億円規模に上る。
  •   「受注活動は航空機分野を中心に、来期の9月以降に照準を合わせている。需要が立ち上がってきた時に備え、戦略的な在庫を抱えられるよう、対処することも念頭にある。外注比率を高めつつ、最終組付けは当社で行う。半期の目標で45億円から50億円を目指したい」。
  •  需要的には2019年という括りでは「西高東低」が継続している。
  •  「播磨に開設したテクニカルセンターをフル活用しており、西日本で立ち上がり、全体を下支えしている重電関係‐ガスタービン関連が主流だが‐を中心に、試削りやNCスクールを実施してきている。今は、オペレーター教育が客先から最も求められている」そうだ。
  •  播磨テクニカルセンターは、現状で営業5人、サービス2人の計7人体制だが「長岡に足を運ばなくても技術的な対応ができるような一大拠点にしていきたい」との目標も既に設定されている。
  •  25%の社内シェアとなる海外は、特に米国が重要な市場に挙げられる。
  •  「航空機中心に、シェア拡大が見込める可能性が大きい。客先は生産が追い付いておらず、設備の潜在需要が高いだけに、高圧クーラント仕様など、特殊ニーズであっても短納期で対応ができるようにしていきたい」。
  •  ディーラー教育やサービス力の強化によって「稼ぎたいと思う」ときっぱり。海外比率30%~40%の目標を実現していく、中国と並ぶ原動力となる市場に違いないからだ。
  •  「来春までは『我慢』、以降の上昇に期待するとともに、この間に若手を育て次代の戦力としていきたい」と佐脇社長は締め括った。