上期の売り上げが対前年同期比2倍に。寄与度で目立つのは「U軸システム」、工具では3コーナー使いのフリーマックス
春原社長
- セラティジットグループ傘下となり、前期から2月決算となったコメートグループ。工具のバリエーションも充実を見せ、シナジーを追求するなか、12月までの状況を振り返ってもらいつつ、今期を見通してもらうため春原社長を訪問した。
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- このほど、グループのプランゼージャパンが入居する六本木のビルに引っ越した。
- 「人材募集をかけているが、場所柄の良さは、好感されている。六本木という響きは、悪くない」と言う。「確かに」との声が、どこからか聞こえてきそうな気がする。
- さて、業績についてだが、旋削加工をマシニングセンタで、というニーズを喚起する「U軸システム」が、引き続き絶好調のようだ。
- 「上期を前年対比でみると2倍の売り上げとなったが、なかでもU軸の販売が寄与している。客先の方で、『U軸があれば、何が変わるか』を具体的にシミュレーションされている。今までに見られなかったことだ」と春原社長は振り返りながら「U軸を取り付ける際のノウハウも向上し、提示された図面を見ながら、U軸の先に装填する工具の選定、加工方法の提案へ移っていく」そうだ。U軸が大手機械メーカーのオプションに組み入れられたことも、背中を押してくれている、とも春原社長は付け加えた。ユーザーは建機、自動車分野がメインだ。
- 「工具では3コーナー使いのフリーマックスが依然、好調に推移している。他社にないアイテムであり、トルクレンチで締め付けるだけでH7の精度が一発で出るという優位性にオファーを頂く」。
- 1回転当たり、1・2ミリから1・9ミリという高送り加工を実現。刃数が6枚刃(径70ミリ~径75ミリ)と8枚刃(同80ミリ~100ミリ)という多刃の2種類をラインナップし、特殊サイズにも対応する。
- セラティジットグループ傘下となって、販売工具にも厚みを増した。
- 「インサートやソリッド関連の標準工具で定評のあるWNTや難削材野で実績の高い特注品で強みを発揮するKLENKが挙げられる。前者はアセアンエリアで評価を得るようになり、後者は航空機向けのブランドとして確立されている」。
- 工具の刃先の摩耗具合や適切な送りなどを制御するツールスコープは、代理店であるCominixのテクニカルセンターに導入され「ユーザー立ち合いのもと、音や振動をこれまで『五感で把握していた』のを数値化。より分かりやすい、工具の選定に努めていくことが可能になってくる。工具寿命の管理にも寄与でき、客先のコスト削減にも通じる。現在までの引き合いの多くは自動車のハウジング関連」だそうだ。
- グループのプランゼージャパンと同じフロアとなり、ITサーバーなど、社内インフラが共用できるメリットのほか、共通するエンドユーザーもあり、シナジーが発揮できれば、との思いも春原社長にあるようだ。
- 「今期もほぼ、見えてきたが、売り上げは前期比150%に落ち着く見込み」。
- 社長就任4年目の実績は、まさに好成績が残せそうだ。