景況は昨年11月から反転、ロロマティックの好転に期待高まる 段研で差別化、伸びを達成—YKT柳営業本部長に聞く

YKT株式会社

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柳営業本部長

  •  柳営業本部長にロロマティックの動向を中心に、2019年の総括をヒアリングしながら今年の展望を聞いてみた。

 

 

  •  「2019年の中国市況の厳しさは、ロロマティックの受注にも影を落としたのは事実。しかしながら年末の12月にも4台の注文を見るなど、全体で70台近い実績を残せた」と言う。
  •  台数ベースでは、海外比率が10%になるようで、中国ほか、南アジアで10台を超える結果となり「国内では工具メーカーばかりか、金型メーカー向けでも提案可能な段研、特に『NP3+』の好調さが目立ち、差別化が図れたことは無視できない」。 ハイエンド段研機「NP5」の後継機種として、EMOショーでリリースされた「NP50」は、「工具回転方向の制御による非円筒研削機能に加え、粗砥石のセッティング角の変更が容易になった。また仕上げ砥石ヘッドの出力を粗砥石ヘッドと同等にすることで、ワークによっては加工時間を大幅に短縮できる可能性がある。さらに、砥石モータにダイレクトドライブが採用され、研削面と砥石形状の持続性が向上した」。
  •  詳細は常設された大阪のショールームで確認できるそうだ。 ロロマティックが得意とする小径工具の需要の高まり‐新たな産業 構造として、自動車のEV化や医療関連機器分野からのニーズに対応しているが「客先は、老朽化更新よりも、増強を意図する設備投資が多かった」と総括。営業面では、機械のダウンタイム削減に心血を注ぎ「リピートに繋がる、最も大切な提案」と柳本部長は力説する。 ロロマティックについて2019年の「浮沈」の動向を概略すれば、1月~4月は堅調で、6月~8月は落ち込み、11月に入ると反転したようだ。
  •  「若い人材が増えたこともあり、2020年は、1人、1人の能力アップをいかに図っていくか、そのための社内環境づくりも課題として挙げたい。注力していく商材で捉えれば、ロロマティックばかりか、アメリカの測定機メーカー・キューブイアイ/オージーピー、このほど総代理店契約を結んだスイスの水準器メーカー・ワイラーなど、日本市場を重視しているメーカーに需要をフィードバックし、今後の商品開発に活かしてもらえるような、営業力のパワーアップを図っていきたい」とコメント。
  •  5G関連で、小径工具の更なる需要に火が付き、海外メーカーは急に忙しくなってきている。 東京・府中にはデモンストレーションセンターが設けられており、大阪のショールームと並び、更なる活用が期待される。
  •  「今年の前半は厳しいと予想している。後半はわからない。英のEU離脱、米中貿易摩擦、北朝鮮の動向・・・複雑な外的要因が、直接、景況に影響してくる。何が起きても不思議ではないが、何があっても会社を存続させていく工夫は怠らないつもりだ」。

 

大阪のショールームに常設された新製品のNP50

大阪のショールームに常設された新製品のNP50