岡本工作機械のPSG会支部連絡会で、国内ニーズ、静圧仕様・大型門形構造確認。
締めの挨拶をする石井社長
- 岡本工作機械製作所は2月5日~7日の3日間、大阪、名古屋、横浜と相次いでPSG会支部連絡会を開催。昨年、国内営業の責任者となった江連営業部長もこの支部連絡会に初出席した。
- 国内ニーズは「静圧スライド、大型門形構造」に集約されると言う。
- 「自動車のモータコア用の金型が増えてきており、半導体関連需要も期待が持てる。国内外の機械販売台数は海外の方が多いが、金額ベースで見れば、1対1。国内では付加価値の高い機械への需要の高さが見て取れる」。
- もちろん、汎用機から超精密まで、すべての層に対応できる強みも「ОKAMОTО」ならではだ。
- 汎用では、約2年で300台突破のPSG‐SA1シリーズが挙げられよう。従来の汎用機「GX」にはなかった自動ドレスが可能になった。
- 「ニーズが高まっている静圧スライド方式で捉えれば、UPG‐CHLiシリーズだ。当社独自の6面拘束により、面剛性では従来機比およそ4倍を達成。テーブル反転による油膜の変化を抑制する。リニアモータ駆動で摺動面には可変静圧スライドを採用し、平面度1ミクロン以内の精密要求にも応える」と言う。
- 全自動平面研削システムとして、常に進化を遂げている「SELF」。昨年にはマッピング研削ソフトによる高能率研削が可能になった。
- 「追加されたマッピング研削とは、機上測定を活用して搭載ワークを効率よく研削可能とする新ソフト。各3軸制御研削盤のオプションとして発売している」。
- 自動車用モータや熟練作業者の引退、作業者の減少に対応するのが「丸モノ・自動化対応」になる。
- 「当社は丸モノの超精密加工も得意とする会社であり、円筒研削盤、内面研削盤も豊富にラインアップ。切込を与えても逃げない機械剛性の高さがポイント。内面研削盤では新発売のIGM15NCⅢ‐2Bを推したい。ボクサータイプの省スペースタイプだ。さらに需要としては、円筒、内面を組み合わせた複合研削盤も増えてきている」。
- 「近未来の環境変化から考察するビジネスチャンス」 特別講演・伊藤技術開発本部長(要旨)
- 2050年にCO2排出実質ゼロに向け「再生エネルギー」の重要性が説かれている。風力・太陽光発電がポイントで、エネルギーを消費しない「家」も想定される。
- 太陽電池モジュール生産では中国が圧倒的で、コストと生産量で世界を圧倒しているが、最新の能率が良い太陽電池では、日本がかなりリードしている。塗工ノズルを活用した薄膜処理に平面度が重要となり、静圧仕様の加工機などが必要になる。
- 次世代風力発電となると「地上」から「洋上」という流れになる。欧州では、風力が増えており、日本でも洋上発電の導入計画がある。
- だが、太陽光、風力ともに、気候に左右される点は否定できない。洋上の風力では自然災害リスクや風速の影響から逃れられないし、電力の備蓄の課題もある。大型化に伴って構造部品の高剛性化、複雑形状化があり、部品によっては専用機で手掛けられることもある。
- これらのトレンドを追っていくと、研削盤に要求されるのは静圧仕様であり、大型化ニーズだ。同時にリニア駆動が増えてくるだろう。
- いよいよ4月から5G通信が導入スタートする。経済効果では50兆円と言われているが、これからが日本の製造業のチャンスだ。
PSG会支部連絡会(写真は横浜会場)
伊藤開発本部長