自社工場でデジタルものづくり推進する安田工業。前期は売り上げ、受注ともに計画以上達成
受注が好調なYBM1218V。例年、反応が良いが、現下のような規模でまとまって受注するのは前例がないと言う
- 安田工業の守屋営業本部長を訪問し、前年度の総括と合わせ、今期2020年度の需要の可能性等を見通してもらった。
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- 「おかげさまで2019年度は、高い目標を掲げたにもかかわらず、国内外の売り上げ、受注ともに計画以上の数字を残すことができた」。
- この結果、日工会に占める安田工業のシェアは前年比35%アップしたと言う。
- 「次世代自動車に関連するモータコア需要の案件が多く、台数ベースで最も寄与した分野。全体的には、5軸加工機の比重は上がり続けており、リニア機も堅調に推移している。機種で見れば、YMC650には予想以上の反応があり、汎用性が高いYBMシリーズも好調だ」そうだ。
- リピーターが多いが「ものづくりの武器として当社のマシニングセンタを認識頂き、実機の確認で工場に足を運んで購入頂いた新規顧客も増えてきている」。
- 半導体関連では、長期視野に立ったオーダーが目立つ。
- 「FMS対応といったニーズが基本にある場合が多いので、結果的に複数台受注になり、金額ベースで押し上げた」。
- コロナウイルスの感染が拡大するなかで、需要の見通しは現時点では難しいものの「2020年度は、やはり5G需要に期待することになるだろう。具体的にどうなるのか、詳細が分からない以上、当社のどの機種が、どのように活用可能かは見えてこない。ただ、半導体製造装置関連では、真空にする工程で関連するチャンバーやポンプなどのほか、プロバー検査装置といった需要の発生が予想できる」。
- 社内体制的には、この数年間、新入社員が増えてきている。
- 「新入社員は、サービス要員含め、即戦力とはなり得ないだけに、固定費が上昇しても、損益分岐点をクリアできるような対応が求められる。その一環としても、スマートファクトリー的な取り組み‐自社工場のデジタルものづくりを進化させていく機会にしていきたい。現場の作業を洗い出してどの部署をどれだけ無人化、自動化できるか。たとえば、新基幹システムとして、見積書が出れば、指示書に回って部品表へと繋がり、現場に伝えられる、一連の流れが形成される。コロナウイルスの感染拡大への対処にも繋がるが、WEB会議の取り組み本格化、通信機能を介した電話や遠隔立ち合い、テレワークの一部実施、フレックスの施行・・・今後、有効となり得る施策とも考えられるので、これらの可能性を追求していきたい」。