松本社長に聞く「リーマ専業メーカーの今後の舵取り」 5年後には海外シェア40%が目標
松本社長
- 7月14日付でオーエスジーが100%株を取得し、グループ化したエフ・ピー・ツールを訪問した。松本社長のプロフィール的な側面に触れながら、抱負をはじめ、現状を交えた今後の注力分野など、論点を絞ってインタビューを行った。
- ◆
- エフ・ピー・ツールは、1944年7月に設立され、76年目を迎えた。
- 「国内需要だけで食べてきた会社であり、しかもリーマ専業という特徴ある会社。社風と言えば堅実そのもの」と語る。
- 松本社長は、2019年1月からすでに常務として赴任。昨年10月から社長として社内を取りまとめてきている。
- 「製造では標準品がほとんどで特殊品が少なく、販売では海外比率はゼロに等しいと言う点に着目すると、今後の『伸び代』はまさにここにある。多品種・小ロット体制は既に確立されており、海外はオーエスジールートを活用しながら、需要を取り込んでいきたいと考えている」。
- リーマの国内需要は、工具工業会の統計によると、超硬、ハイスを合わせ80億円の市場規模。
- 「国内はさらに超硬化が進むと見られ、付加価値の高い製品づくりをさらに推進していく。なかでも、品質保証の拡充は避けて通れない」。
- スタッフ82人中、直接、リーマの生産には40人が従事、品質保証部と研究開発で12人、そして約10人が専用の工具研削盤の製作に当たる。
- 「詳細は触れられないが、利益を生み出していくうえで、この専用の研削盤の果たしている役割は極めて大きい」そうだ。
- 現状では、コロナの影響で受注減を余儀なくされている。
- 松本社長は「回復したとしても8割までしか戻らない」との認識のもと、海外戦略において「まずは東南アジアを皮切りに20%、5年後には40%という社内シェア」を見据える。
- すでにオーエスジーの海外拠点から、引き合いが入り始めた。松本社長自身の、中国での5年間の活動で築き上げてきた人間関係も、考慮されていくだろう。
- 1983年、大学のゼミの先生に勧められてオーエスジーに入社した。関東中心に10回に及ぶ転勤を経て、中国、そして直前は東日本営業部長を歴任。出身は愛知県だ。
- 「オーエスジーでは走りながら考える、成果よりもむしろ挑戦していく姿勢が評価された。エフ・ピー・ツールのこれからの運営においては、働きやすい会社よりも、働き甲斐のある会社にしたいと考えている。そのためには、常に新しいものに挑戦していくことこそが大切だと思っている」。
- 今年の11月には還暦を迎える。新たな門出に花を添える区切りとなるだろう。
本社・工場も今年の4月にリニューアルされた