3年間で3割近い生産性向上達成したCKK 新規事業として不動産事業に着手
澤田社長
- コロナ禍のもと、自動車産業を中心に加工総量が激減して、工具メーカーが一様に苦戦。シー・ケィ・ケーはどう対応しているか。澤田社長を訪問し、直近の動向を取材した。
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- 「7月までは過去最高の売り上げを記録した2019年に比べても微減で推移していたが、8月は大きく落ち込んだ。在庫等の荷動きも考慮すれば予断を許さない。だが、海外を見れば、中国市場では受注が上向いてきている」。 国内では3年間、生産性向上に一貫して取り組んできた。
- 「3割近く向上した。実際、同じ仕事量をこなすのに、機械10台、10人で動かしていたのを7台、7人で操作し、対応できるようになっている。生産性向上の達成は、マンパワーの上でも省人化を可能にしており、結果的に、年間ベースで10数人の『企業内転勤』を可能にしている」と言う。
- また、3割に及ぶ生産性向上は、雇用調整助成金を視野に入れ、週休3日でも工場を回せることをも実証。10月まで継続して取り組んできた。
- とは言え、設備投資はゼロではなく、新たにANCA2台増設しており、1年間で計4台新設していることも付記したい。
- 8月決算では売り上げ15%減の「着地」を予定しており、黒字確保の見通し。
- 「当社の体制の上での攻めの動きでは、昨年、営業部を新設した。当面は3人~4人体制。ピンポイントで直需ユーザーの開拓を進めることになるが、テクニカル面でのフォロー強化を主眼に置く」考えだ。
- 海外に目を向けると「中国は自社工場を売却し、貸工場に移ったことで、体質、体力強化に繋がり黒字継続。景況では3月、4月が底で、現時点では受注の回復基調が顕著になってきている。中国の自動車需要に関しては、公共機関の利用ではなく、自己管理の重要性を意識させるコロナ需要が発生し、購入に火を点けている」「タイは移動制限が緩和されつつあるが、コロナの影響で予定していたワルター機の移設が保留状態になっている」「1月に新規設立したベトナム(ハノイ)は4人のスタッフを確保。活動をスタートさせている」‐のようだ。
- 前期のシー・ケィ・ケー単独売り上げは22億円、決算月は異なるものの、はグループ全体では約35億円の規模に達している。
- 「当社は創業から35周年を迎えている。人材育成と設備投資を核に工具づくりに邁進してきて、一定の成功を収めてきたとの自負もあるが、日本の市場規模を考慮すれば、従来のように、大きくパイを広げることが難しいとの判断から新規事業を模索してきた。具体化するのは2年前から構想してきた不動産事業で、11月末から名古屋市中川区にオープンする」そうだ。
- 生産性向上によって達成した「企業内転勤者」を中心に、工具以外での積極的な人材登用も検討してきた結果だと言う。
- 「もちろん、新たな工具開発と並行して新規事業がある」。
- いつにあっても予測困難な澤田シー・ケィ・ケー社長の行動力。新たな展開が面白くなってきた。