12月決算は過去最高を記録するヤスヒラ。DMG森精機製「DMU‐50」導入へ
安平社長
- 生産技術代行商社を目指すヤスヒラ(本社・姫路市)の快進撃が止まらない。
- 「当社を選んで頂いている、お客様に恵まれていることを実感している。数字をなぞれば、今12月決算は、過去最高を記録した前期の売り上げと比べて120%の着地を想定でき、改めて感謝申し上げる次第です」と謝意を述べる。
- コロナ禍のもとでも、躍進している、その理由について安平社長は「社長就任から8年が経過するなか、リスクに強い体質づくりを心掛け、売り上げに占める1社の占有率を10%以下になるよう、幅広い顧客への対応に努めてきた。産業別に概観しても、医療、エネルギー、食品、自動車、半導体、機械器具・・・と実に多様な顧客層を抱えるまでになっている」。 今期はエネルギー関連や医療‐特にPCR検査関連が伸長したそうで「特需としてのマスク販売」も付け加える。
- だが、注目すべきは売り上げばかりか、利益率アップも同時に達成してきたことだろう。
- この点について「要となるのが当社のFA(ファクトリー・オートメーション)部。お客様の工場の改善を、システムとして受注しているセクションで、生産技術代行という当社の将来像を見据えてもいる。10年前、売り上げに占めるFA部の社内シェアは5%に過ぎなかったが、改善への試みをご評価いただき、今では32%と大幅に増加し、なかでも自動化案件が、ここ5年間で急伸し、利益率の点でも大きく貢献してきている」。
- 因みに縮小してきた部門は、工具ほか消耗品のルート部で、65%から35%にまで下がってきており「値段競争に晒される『物売り』ではなく、顧客満足度を高めていく『事売り』の重要性を実感している」そうだ。
- コロナ禍のもと、密を回避する手立てでもある自動化提案ばかりか、FA部は、新規顧客獲得のエンジン役をも担っており、今期は三重に所在するものづくり企業に斬新な提案を行い、大きな案件を受注した。
- 「新たな試みとして、12月にDMG森精機の『DMU‐50』を導入し、顧客からの試削り依頼を通じて、最新の工具やプログラムの提案に取り組んでいきたい。また、当社での導入を機会に5軸加工機の普及にも、さらに尽力していきたい」。
- ところで、コロナ禍での社内対応はどうか。
- 「4月以降、営業と業務の時差出勤をはじめ、FA部門でのフレックス制の導入、客先の訪問不可に対応したWeb室の設置ほか、ノートパソコン、さらに個人個人のコロナ対策として5万円の支給などを行った」。
- コロナへの配慮とは別に「自社のソフト対応」も予定していたそうで「オンラインの加速の流れが作りやすかった」そうだ。
- 「生産技術セミナーをWebに切り替えたが、反応が良く、参加者(視聴者)が大幅に増えた。インスタグラムやユーチューブ等の活用も積極的に行うようになっている」。 ヤスヒラの平均年齢は37歳。営業職だけを取り上げると、30代前半と言う若さ。今年は5人採用し、来期も採用を予定している。 「いいお客様に恵まれ、また、コロナ禍でも知恵を出す取り組みが成功していると考える。今後も、当社をパートナーとして、選んで頂けるような、お役に立てる活動を 見出し、積極的に取り組んでいきたい」と安平社長は結んだ。