100年企業目指し、新豊明工場建設に着手した中京。MCD工具生産も本格化。
新豊明工場完成予想図
- 100年企業を目指し、中京が動き出した。今春には50年ぶりの拠点工場刷新となる新豊明工場の建設着手、EV化など次世代の自動車生産に対応する部品加工に向けた単結晶ダイヤモンド(MCD)工具の開発‐前者は新たな生産の枠組み、後者は次代を見据えた新たな商品と言えようが、この2点を中心に川瀬社長に取材を行った。
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- 「今期が60期。あと40年継続させていくための新工場であり、新商品という位置づけになる」。
- 現在、豊明工場内にある寮の解体作業に入っており、終わり次第、新工場の建設に着工し、今年10月~11月の完成を目指す。
- 「現工場から主力のPCD/CBN工具の生産を移管するとともに、MCD工具の本格生産に備えていく。新豊明工場は延べ床面積で20%程度の拡大となる2900㎡。間口22m、奥行きでは100mの平屋(一部2階建て)。生産工程の自動化やIoTの導入により、生産の効率化をはじめ、職場環境の向上、事業継続計画にも対応していきたい」。
- EV化・自動化によるモータ製造やセンサー類、レンズ、ヒートシンクなどの加工で、長寿命で精密加工が可能なMCD工具の需要が高まることが予想される。パワートレイン系の加工の伸びが期待しづらいのとは対照的だ。
- 「既存の自動車部品加工向けでは、カルカッタやブレーカインサートなど、コストメリットを感じて頂ける標準品のシェアを上げつつ、更なる浸透を図り、特殊品比率を現行の7割から5割へと引き下げていく考えだ。MCD工具は受注生産となり、春先には商品化にこぎつける計画で進めており、顧客の加工ニーズに合わせた商品ラインナップの拡充を目指している」。
- MCD工具生産のためのCNCスカイフ盤、ナノレーザー加工機、雰囲気炉などの新規設備は既に導入しており、インサートチップやエンドミルの刃先にMCDを採用したり、仕上げ用としてフライスカッタの刃先をPCDからMCDに置き換えたり、ニーズに応じて、ラインナップを考えていく。
- 「MCD工具は将来的には、自動車のみならず、医療や光学系設備メーカーへの拡販も念頭に置いている。次世代を意識した時、ダイヤモンド工具メーカーとして、ダイヤと付くものはすべてやる覚悟でいる」と川瀬社長は意欲満々だ。
MCD工具開発室
MCDを施したインサートチップ