前回はドリルのホーニング、今回は別の視点で提案を追求する石川工具研磨製作所。 新工場は、2021年度内稼働目指し、いよいよ着工へ

株式会社石川工具研磨製作所

株式会社石川工具研磨製作所

石川社長

  •  訪問可能なユーザーを見つけることが営業の仕事とも言えようか‐これが石川直明社長の第一声だった。
  •  2019年が同社のピークだっただけにコロナ禍の影響を受けた2020年の下落幅が大きかった。
  •  「2020年の年明けの3か月間は、前年と同規模で推移したが、コロナ禍の影響が出始めた4月、5月で減少し、6月、7月で少し持ち直したものの、8月で大幅ダウンを余儀なくされた」と振り返る。
  •  2020年は、総じて「7掛けの世界」と石川社長は評したが、仕事量減少を逆に次なる準備として、一時帰休よりも社内教育に注力した点は見逃せない。
  •  「機械への習熟度を上げていくことによって、できる仕事の範囲が広がっていっている部署も表れてきた。また、工程に着眼すれば、円筒は製造に特化していたが、仕事量減少に対応して、従事していたスタッフを他の部署のサポートに回し調整を取った。また、教育による多能工化に通じる試みも実践した。この取り組みは、ひいては全体の能力アップに通じるとの考えからでもある」。
  •  このほか、スキルアップのためのメーカー主催のWebセミナーへの参加もおこなった。仕事への影響が少なく、得るものが大きいというメリットもあろうか。
  •  景況的には、昨年の9月以降、再研磨部門は、少しずつではあるが回復してきている。
  •   懸案だった新工場建設については2021年度末までの稼働を目指し、着工する運びで「再研磨、製作もの問わず、仕事の受注能力向上、効率の良い環境づくりへの配慮を徹底していきたい」考えだ。2021年は、設備増強も柔軟に対処していく方針を採る。
  •  3月には2回目となるグラインディング・テクノロジー展が幕張メッセで開催される。2021年初のパブリックの展示会として期待されている。
  •  「前回、初開催の時は、ドリルのホーニングをアピールしたが、今回は別の視点で取り上げていきたいと思っており、準備している。会場来場者は目的を持っており、いい出会いを期待している」。
  •  2021年は、多能工化をテーマに個々人ができる仕事内容を一段と広げていくことと、新工場完成の両面で、立ち上がってきた時に備える年とするようだ。

 

新工場建設予定地

新工場建設予定地