複雑で高精度な加工を追求する姫路の佐藤精機で評価されるZOLLER のツールプリセッターVenturion、工具管理システムTMS
付加価値のある製品作りには、アート感覚が欠かせないと佐藤社長は語る
- 取材後「精機の名に恥じないものづくり企業を標榜したい」との佐藤社長の言葉が印象に残った。
- 今回、ZOLLER Japanユーザーとして訪問した「たつのテクニカルセンター」は、2015年10月に稼働スタートした。
- 佐藤社長によると「複雑で、高精度な加工を追求する場として位置付け、DMG森精機のDMU125などの5軸加工機を駆使している」、言わば、佐藤精機のブランディング化を促進する「舞台」として機能しており「航空機関連では、川崎重工業、新明和工業、半導体製造装置ではディスコといった、その分野での名だたる企業や、理化学研究所、JAXAのような国の機関との付き合いを深めている。取引総数では東証1部上場企業だけでも30数社を数える」実績を持つ。
- もちろん、優れた機械を含む「舞台」だけでは絵に描いた餅。
- 「マンパワーの点で、リーマンショック前の18人から今や44人と格段に増え、1級技能士の有資格者に代表される技能者の質的水準の向上が図れたことで、一流の顧客から選ばれる企業に成長し得たと思っている」と佐藤社長は胸を張る。
- ZOLLERとの出会いは、まさに、たつのテクニカルセンターの運営開始とちょうど重なり合う。
- 佐藤社長は「ZOLLERさんは、高度化ためのランドマーク企業と捉えている。ツールプリセッタ―や工具管理のTMSは、測定機同様、加工に直接、寄与するツールではないが、顧客と同じ仕様の機器、設備をラインナップしていくことで、信用と信頼の獲得に繋がっている」と言う。
- 現場でオペレーターとして活躍する萩原グループリーダーに水を向けると「ツールプリセッタ―Venturionは、機械設備が稼働中でも、1ミクロンレベルで計測した、工具の長さや径などの情報を機械に転送できるため、入力ミスがなく正確なばかりか、ロスタイムも発生しない」と評価する。 また、工具管理システムTMSについては「工具の有無の確認はもとより、どこの棚に何があるか、熟練者でなくとも、容易に工具を探し出せるメリットは大きい」と語る。
- 工具管理を適切に行えれば、紛失の防止はもちろん、ダブって発注することも回避でき、無駄な出費の削減にも繋がるようだ。
- 佐藤精機は佐藤社長の父、貞義氏が中古の旋盤を購入して1955年に佐藤鉄工所として創業し、1972年の株式会社化と同時に佐藤精機が誕生した。
- 「私は1984年に入社し、この間、他社同様バブル崩壊やリーマンショックなどを経験したが、不況が逆に発奮材料となり、何とか前進でき得たことが今日に繋がっていると思う」と佐藤社長は振り返った。 50人に迫る体制で年商はおよそ6億円規模にのぼる。
ZOLLERのツールプリセッタ、Venturion。加工中でも、機械に次の工具情報を提供できるメリットは大きい
工具管理システムのTMSは、まさに工具の見える化で、全スタッフと情報の共有が可能に
複雑形状加工の領域に果敢に挑戦する