大阪工機・ホーチミン事務所の高萩マネージャーは、ユーザーからの工具の選定依頼に きめ細やかに対応。成果を積み上げている。
高萩和央セールスマネージャー
海外売上高を3割に‐という目標を掲げ、現在、世界8カ国で展開する大阪工機。今号では、海外拠点のひとつ、ベトナム・ホーチミン事務所に高萩和央セールスマネージャーを訪ね、ベトナム進出の経緯をはじめ、市場の特徴と活動のあり方、今後の展望、特にホーチミンでの方向性などを浮き彫りにする紙面化を試みた。
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大阪工機のベトナム進出は2011年、大手日系メーカーへのフォローを目的に、ハノイで現地法人を立ち上げたことに始まる。 高萩セールスマネージャーは、「アセアン地域の中でも、ベトナム人の勤勉さ、優秀さが投資を呼び込む大きな要因になっている。特にハノイは、大手企業の進出が目立つ。だが、ベトナム市場という括りでは2輪産業を除いて、裾野産業が育っていないのが実情だ。2018年からのアセアン域内完成車関税ゼロという事態を迎えるなか、タイやインドネシアからの輸入が増えていく可能性は高く、そうなると将来のベトナムでの自動車産業の行方はどうなるか」との、大枠でのベトナム市場の特徴を指摘する。
ホーチミン事務所開設は、ハノイ開設3年後の2014年6月。 「顧客は、すべて新規開拓。中小規模の現場に、『生産性向上』を熱っぽく訴えながら、徐々にではあるが、浸透を図ってきた。(現場の)改善意欲は高く、チャレンジ精神は旺盛」というのがホーチミンでの活動の特徴と高萩マネージャーの感触のようだ。 ハノイ、ホーチミンは、中国での北京、上海になぞらえられるが、ホーチミンは、やはり商都であり、活気の点では、ハノイを凌いでいる気がする。
「8割が日系、2割がローカル企業との付き合いになっているが、双方ともに、現場に設備されているのは、日本からの中古機械が目につく。ローカル企業の、日本製機械への評価は高い。が、新品を購入する資金的余力が十分にないことも事実だろうか」。 販売の中心は切削工具ゆえ、工具の選定依頼が多いことが特徴になっている。
「お邪魔して、最初にお聞きするのが、機械の最高回転数。どのような加工が多いか、現場の特徴を把握するためだが、機械とのマッチングで適切な工具の提案を試みている」。
浸透度を上げていく、ユーザーの拡大を意識した場合、切削工具にプラスした品揃えも無視できない要素になる。
「ベトナム特有のHSコードというライセンスを取得して、営業業務内容を拡大、金型や工業用ブラシ、砥石、その他消耗品等の扱いも行っている。300万台弱を販売するバイク関連をはじめ、好調な家電関係、電気屋、アパート販売に連動する鉄鋼関連産業への注力は怠れない」。