THK中部の市況環境「最前線」。モータやバッテリー関連の需要急拡大
村中中部営業統括部長(中央)鈴木名古屋支店長(左)、配川小牧支店長
- メカトロテックのTHKブースに村中中部営業統括部長、鈴木名古屋支店長、配川小牧支店長を訪ね、中部エリアの市況環境について取材した。
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- 従来の自動車関連の設備投資が控えられていたためか、一部のTHKのユーザーはあまり忙しさを実感していないように受け止められたと言う。
- 「だが、部材、部品の欠品状況を概観すれば、今期に入って、エンコーダーのチップ不足等からサーボモータ、次いでセンサー類、樹脂関連、基板関係と、広がりを見せていった。品薄はすでに相当、進行している。『半導体、電池、中国』が我々にとっての忙しさを表現するときのキーワードだが、言葉通りかなり忙しくなってきており、納期対応に留意しなければと今から警戒感を強めている」。
- 中部と言うエリアで気になるのが、やはりEV化の流れだろう。
- 「ガソリン車からのEV化シフトで設備投資は活発。特にモータやバッテリー関連の需要は急増しており、当社も影響を受けている」と言う。物流関連の自動倉庫、半導体の搬送システムといった分野からの需要も無視できない高さにある。
- 「THK全体に通じるが、昨年比5割以上伸長しており、2018年上半期に迫る勢い。2020年度の危機からは脱したとの認識だ」。
- 山と谷のスパンが短くなってきている、とも付け加えた。
- 「産業別では半導体の動向を引き続き注視していきたい。来年も忙しさは持続するだろうからだ」。
- メカトロテックで一番にアピールされたのは、部品の状態を数値で見える化、予兆検知を実現するIoTサービス「OMNIedge」。
- 「人手に頼らず、定量的に部品の状態を常時把握し、適切なタイミングで保全の実施が可能となる。結果的に突然、機械が故障するリスクの低減に役立っている」のがポイントだ。
- 9月からは、センサーを取り付けたLMガイドやボールねじなどの不調・異変により交換を迫られた場合、優先的に「待ち時間ゼロ」で即、交換部品の製造を手配できるシステム「製造ゼロ待ちチケット」、OMNIedgeの予兆検知機能が働かず、LMガイドなどの部品の損壊により交換を迫られた場合、最大100万円まで東京海上日動の保険によって補償する「IoTリスク補償」と言う二つのあんしん特典をそれぞれスタートさせている。
- メカトロテック会場で、寺町社長に、ものづくりを取り巻く、特徴的な動きについて、ひとこと、コメントを求めた。
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- コロナ禍にあって、経済的には、中国や欧州、北米に比べて、日本の回復の遅れが目立っているものの、当社とかかわりの深い日本の業界は強い。生産は現在、順調に推移している。ただ、懸案材料としては、原材料の値上げが著しいうえに、樹脂系の調達が難しい。コンテナ不足に見られるように、海外に向けた物流コストの値上がりも無視できない。
- 投資関連では、諸事情が複雑に絡み合い、判断の難しさを伴いながらも、中国市場には、長期視野に立って、常州、遼寧の各工場に新棟増築し、生産能力の増強に乗り出していく。
寺町社長(メカトロテック会場で)