「単機能工具」で差別化追求するイワタツール。3年かけ、社内の生産管理システムを一新

株式会社イワタツール

株式会社イワタツール

岩田社長

  •  試作市場&微細・精密加工技術展が開催されていた大田区・Pioで岩田社長と面談、品質改善への取り組みや生産性向上、今年度の業績等、多様な側面についてヒアリングを行った。

 

 

  •  「微細加工分野でメーカーに直接、いろんな話が舞い込んでくる、規模は小さいながらも、重要な展示会だ」と規定する岩田社長。
  •  イワタツールでは、刃先の径で6ミリ以下が7割を占めている。
  •  「2021年は、総じて受注量が抑えられ、社内の管理面で時間的余裕が生まれるなか、品質管理に意を尽くし、改善を試みてきた。昨年末からは受注の点で回復傾向を辿ってきて、生産性向上への舵を切ってきた」と振り返りながら「2021年度を下半期だけで捉えれば、出荷ベースでコロナ禍前の2019年度レベルに到達した」と業績の改善、向上に言及した。
  •  微細・精密だけに留まらない、イワタツールの工具づくりの特徴として、昨秋のメカトロテックから単機能化がアピールされ始めている。
  •  「高速穴あけのみに特化したGPドリル、位置決め用のパイロット穴専用のSPセンターZERO・・・新製品では高速穴加工用エンドミルのヘリカルエンドミルなど、当社では、多機能ではなく、単機能工具で差別化していきたいと考えている。専用工具の方が加工スピードや品質向上を図れるうえ、経費を抑えられるため、コストパフォーマンスの点でも優位だからだ」と強調する。
  •  単機能工具のアピールを意識するようになったきっかけは、面取りに特化したトグロンマルチチャンファーの「販売伸び率」の高さにあったそうだ。「バリを抑えて超高速加工を実現」がヒットした要因に挙げる。
  •  直近の3年間で、社内の生産管理システムを一新したと言う点も見逃せない。
  •  「サーバー、クラウド、ソフト開発などIT関連の投資を積極的に行い、受注の変化に対応した生産計画の変更を可能とした。少量多品種のため、納期管理に直接、寄与してくれるメリットは大きく、設備ばかりか、ヒトの管理面でも成果が享受できる」そうだ。
  •  生産の自由度を高めつつ、微細、精密に配慮した工具の小径化は今後も推し進めていく方針だ。
  •  「11月開催のJIMTОFでは、加工実演のバリエーションを増やしていく計画。加工機は3台持ち込む予定だ。リアル展示会のメリットはまさに『現物』に尽きるからだ。音、見た目、振動・・・いろんな要素が直接、確認できる機会は、やはり重要だろう」。