日本特殊合金は来期から戦略製品「SCPT合金」拡販に注力。長寿命が魅力
中山社長
- 日本特殊合金の中山社長を訪ね、今期の総括および来期の拡販製品について取材した。
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- 上半期は好調に推移したものの、下半期に入るとその勢いが減速したそうだ。
- 「とは言え、今期全体で判断すると、過去最高を記録した2018年比90%の水準に達する見込みで、2019年レベルはすでにクリアしている」。
- この間、最も神経を遣ったのが納期厳守。復調したと言えるのが金型分野で「過去最高に並んだ」。半導体関連も戻ってきた。薬品に絡む需要も堅調とのことだ。 中山社長から課題に挙げられたのがマンパワーだ。
- 「機械設備には余力はあるが、人が介在する工程でのマンパワー不足は否めない。手は打っているものの、直ぐに解決できるものでもない」。
- 来期から本格的な拡販に着手していく、要注目と言えるのがSCPT合金だ。高強度を誇る新たな超微粒超硬合金で、2020年度に粉体粉末冶金協会から新技術・新製品賞・優秀賞受賞の栄誉にも輝いた。
- 「配合と焼結にノウハウがある。切削工具としての魅力では、長寿命であり、また、折れにくいと言う特性を備えているため、細モノ工具で差別化が期待できる」。
- テスト結果では超硬の5倍の寿命が確認され「CBNに比肩するレベル」との指摘もなされた。
- 親会社である東京製綱の新中期3か年計画の中でも「SCPTの深耕を図る」ことが謳われているそうだ。