ドリルの再研磨です特徴を出し、将来を展望する 宇都宮製作所ユーザーの渡辺工具研磨
渡邉社長
- 渡辺工具研磨は、昭和61年に現在の渡邉会長が創業した。子息である渡邉社長、渡邉専務ともに「加工業を志した」が、家業とも言える、工具の再研磨が軌道に乗り、忙しくなっていく中で「いい工具づくり」を志向する発想に傾斜していったと言う。
- 渡邉社長は「私は現在、52歳。工業高校卒業後、金型メーカーに4年間在籍し、弟の専務も加工業の仕事に6年間従事したあとに入社した。元号が平成に変わる辺りから、創業者の父親以下5人体制のもと、商社ルート、口コミを通じた静岡県内からのハイスのエンドミルの再研磨を主体に受注するようになっていった」と振り返る。
- 今では、エリア的にも、静岡ばかりか、千葉や東京、名古屋方面からの受注も請けるようになり、再研磨中心に超硬8割、ハイス2割の比重。月産1万本~1万2千本で、ほとんどが軸モノ工具で占めており、インサート系は1割と言う。
- 宇都宮製作所との出会いは今から6年と少し前に遡る。
- 「再研磨の工具種ではエンドミルが多いが、ボールやラジアスでは差別化が難しく、ドリルの再研磨で当社の特徴を出し、将来を展望していこうと考えた」戦略的な取り組みのなかで「(ドリルの)ホーニングもNC化できると聞いて、宇都宮製作所の展示会出展ブースにお邪魔したのがきっかけだった」そうだ。
- 導入されたのはTGR-250。ポイントは「ホーニングが安定的にできるうえ、補正も容易」。2016年11月に現場に据えられた。
- 「再研磨に特化して活用している。導入当初はφ16ミリ~φ20ミリの太径ドリルが多かったが、今ではインサートドリルも取り込んでおり、今後は、ダイヤを含め総型カッタへの対応も展開したいと思う」との絵を描く。
- また、2019年7月には、φ3ミリ~φ10ミリまでの「細モノドリル」への対応として、刃先研磨に対応するTGR-016を導入して「棲み分け」を図るようになっている。
- 「コロナ禍にあっても、おかげさまで仕事量に大きな変化はないが、宇都宮製の2機種を武器にして、着実にドリルで実績を積み上げていきたいと考えている。丁寧な操作指導ほか、アフターフォローについても対応が早く、感謝しているほか、当社の宇都宮製作所さんに対するドリルのプログラミングへの期待は高い」と語る。
- 因みに、TGR-250、TGR-016の2台は、渡邉社長の子息である元樹さんがオペレーターを務めている。
- 「ドリルに関わるテスト加工依頼も、入ってくるようになった。同業との連携と言う点でも、厚みが増してきた」。
TGR-250を扱う子息の元樹さん