横形への需要はじめ、微細、5軸、立て形など全機種へのオファー高まる安田工業
安田工業では横形へのニーズも高まってきたと言う
- 安田工業の香川営業本部長を訪問し、最近の需要の特徴と引き合いから受注に至る機種別の動向について広範にヒアリングを行い、紙面化した。
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- まず、コロナ禍に照応する、2021年度の試みについて香川本部長は「WEBを活用した動画コンテンツや資料等の(顧客との)共有方法を築いていく体制ができあがったと思う。その意味では、デジタルを活用した仕組みづくりができつつある」と語る。
- コロナ禍の継続、ロシアによるウクライナ侵攻など、不透明で不穏な動きが継続するものの、工作機械業界の受注状況は好調に推移している。
- 「リピーターを中心に、当社は、工作機械、産業機械から国内外問わず引き合いを頂いており、機種で見れば、昨年度後半から現時点ではYBMシリーズの横形案件が目立ってきた」と言う。
- 工作機械のライフサイクルが20年から30年に及び、中長期的視野に立った投資案件という性格ゆえだろうが「故障が少なく、経年劣化がほとんどない。言わば、変わらない精度というのが選んで頂ける基準になるかと思う」とアピールする。
- 業種ではプラスチィック成型・加工関連が増えてきたと指摘。
- 「射出成型関連の需要が全世界的に高いと思う。国内とアジアではEV用のモータコアに関連するニーズが目を引く。しっかりと実績を積み上げていきたい」。
- 国内は事業再構築やものづくり補助金に絡む受注案件がベースを築くまでになっている。
- 「当社でも3割を占め、影響は大きい。横形のみならず、微細加工機YMCシリーズへのオファーも増え、インターモールドではYMC650を出展し、内製しているテーブルによる差別化、研削のメリットなども訴え、深耕を図っていく計画だ」。
- 好調に推移する半導体分野で実績が出てきたのが「PX30i」だ。
- 「北米のジョブショップで評判を呼び、昨年から今年にかけて国内半導体製造装置メーカーから引き合い、受注へと実を結んできた。立形のYBMシリーズと同じ主軸を採用し、323ATC、33パレットを標準で搭載している」。
- 現状で、国内外比率は1対1だが、海外が伸長する可能性が高いとも。
- 「横形と微細分野への需要の高さが目立ってきたが、立形、5軸についても、実績を積み上げている。それぞれの機械の特性に合わせて需要を喚起し、リピーターからの更なる支持を得つつ、新規開拓に邁進できる1年を期待したい」と香川本部長は結んだ。