THKが国際ロボット展で多様な取り組みを披露。コンビネーションロボット、ロボット走行軸モジュール、ピッキングロボットハンドシステムなど。
星野IMT事業部長
- 国際ロボット展に出展していたTHKブースに足を運び、星野IMT事業部長に自動化・ロボット化を織り込んだ最近の市場ニーズをヒアリングしながら、提案内容を紙面化した。
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- ロボット用途の多様化で高まりを見せているのが「回転モジュール」需要だそうだ。
- 「直線軸に加え、回転軸需要が広がりを見せている。重さ、長さ、速さなどの点で自由度を求められ、高機能化が追求されている。当社としては、コンポーネントやモジュールの開発に専念しており、グループ企業のTHKインテックスがシステム化して提案させて頂いている」。
- その具体例がコンビネーションロボット。回転モジュールに客先ニーズを具現化していくユニット型ロボットモジュールだ。
- 「回転モジュールと組み合わせる連結オプションの中には、直動軸の水平タイプや垂直タイプ、アームの水平・垂直連結などをラインナップし、コンビネーションロボット製作ではストローク範囲、アーム軸リーチなど、客先ニーズに沿ったジャストサイズな構造を提案することが可能となっている。ドライバーもカードタイプで別付けとし、客先製ドライバーの利用要求にも対応している」。
- 生産工程の無駄を排除し、スリムなレイアウトによってコストダウンが図れる。要チェックだろう。
- 前回のロボット展で初披露され、市場深耕を目指すロボット走行軸モジュール「MRT」は「搬送・組み立て、溶接等におけるロボットの作業範囲拡大をサポート。アクチュエータとユニットの組み合わせにより、ロボット導入時の工数を削減していく」。
- MRTは、自動車関連分野からの引き合いが多いと言う。
- 物流業界への自動化提案として注目されるのがピッキングロボットハンドシステム「PRS」で、掴む対象のモノに合わせて「見る・取る・移す」をオールインワンでこなす。掴む+吸着のハイブリッドでの差別化も見逃せないだろう。
- 独自の発想と技術で、業界を問わず活用が期待されるのが搬送ロボット「SIGNAS」だ。
- 「昨年9月から販売をスタートさせた。無軌道、有軌道の組み合わせが可能。お客様が任意に設置したサインポスト(目印)との距離・方位を計測し、経路に沿って走行動作などを制御していく。積載時150キロ、牽引時500キロまでの搬送が可能。物流や製造の現場を想定している」。
- 最後に案内されたのが、部品の状態を数値化して予兆検知を実現するIoTサービス「OMNIedge」。このほど、直動部品ばかりか、ポンプやファン、モーターと言った回転部品にも適用を広げることになり「メンテナンスの対象範囲を一段と拡張させた」。
- 特に今回のサービスでは「WEBアプリでのリモート監視に加え、LEDの色変化による現場での状態確認も可能となり、プロセスオートメーションやユーティリティー設備で、事務所から離れた場所で数多くの機器をメンテナンスされている業界の方々にも導入いただける機能を搭載している」そうだ。
ロボット走行軸モジュール「MRT」