水素ステーションに関連するステンレス部品で成果。
蓑田工場長。今年からスーパーG1チャックを積極的に活用開始。加工音が静かになり、面粗度も向上
藤原製作所は、昭和31年に創業し、現在は3代目へとバトンが引き継がれている。
取材に対応してくれた蓑田工場長は「私は昭和55年の入社。初のNC旋盤が中村留製で、導入されたのが昭和52年と聞いている。創業者は職人気質そのもので、汎用旋盤やロクロなどを駆使した」と語る。
現在の仕事内容は、充電設備を含む電力関連部品をはじめ、水素ステーションを構成する高圧用ステンレス部品、自動車、電気製品などの金型部品、さらに免震装置なども手掛けている。少量多品種が多く、現場は大量生産に不向きとも。
他社との差別化で、特に配慮しているのが加工依頼の図面公差や納期の順守。
「単価や納期短縮のために在庫を抱えている。また、出荷後の配達時の梱包にも気を配っている」と言う。
ユキワ精工との付き合いは、2000年以前からあり、キーレスのスーパードリームチャックをボール盤のねじ切りなどで活用していた。
「とは言え、ツーリングは、聖和精機が最も使用頻度が高く、他にビッグ、日研が少し。ユキワ精工のスーパーG1チャック、グリーンG1チャックを活用するきっかけは、水素ステーションを構成する高圧用ステンレス部品の加工を想定し、昨年、40番主軸のオークマ製マシニングセンタ導入の検討を重ねていた時、ユキワ精工の営業担当者との出会いがあったからだ」。
従来から、この分野で活用していた、平成9年に設備した日立精機製「VK55-2」(50番主軸)にスーパーG1チャックを試したところ「加工が安定したため、スタッフを他の仕事に回すことができるようになったほか、エンドミルの寿命も伸びた」ことから「オークマ製mB-46VAEという40番主軸のマシニングセンタ導入後、今年に入って、スーパーG1チャック、グリーンG1チャックを使わせて頂くことにした」と言う経緯がある。
水素ステーションに関連する受注ロット数は、1個~40個とバラバラ。厚さでは140×140角、大きさでは、φ50ミリ、φ75ミリ、φ180ミリといった太径で、しかも高硬度材。すべて削り出しで加工する。
「他社製のツーリングでは、50番主軸の時は気にならなかった音が40番主軸では気になったが、スーパーG1チャックを使用すれば、加工音がほとんど発生しなくなり、面粗度も上がった」と言う。
その一方で、グリーンG1チャックも試したところ「刃持ちが良くなった。それまで4個だった加工数が10数個対応できるようになった」そうだ。
現在、ユキワ精工製ツーリングは、スーパーG1チャック2本、スーパーG1チャックのロングタイプが1本、グリーンG1チャック1本の、計4本となる。
「ユキワ製ツーリングは、とにかく使っていて安心感がある。これが大切かと思う。ツーリングを新たに導入する場合はユキワ精工を選ぶことになる」と蓑田工場長は結んだ。
グリーンG1チャックも活用、刃もちが良くなったと言う