ANCA Japanテックセンター開所式挙行。業績は6月決算待たずして、年間目標達成。
挨拶する板倉社長
ANCAジャパンのテックセンターの開所式が6月1日、ユーザーはじめ、パートナー企業の代表、さらにANCAオーストラリア本社から創業者、最高経営責任者らが来日して、ANCAジャパンの新たな門出を祝った。
板倉社長は「コロナ禍により、オープニングセレモニーが2度延期され、本日、ようやく開催にこぎつけることができた」との挨拶に続き「昨年7月から直販がスタートし、6月決算を待たずして、年間目標を達成することができた」と好調に推移する現状を跡付けた。
共同創業者のボーランド氏は「当社は1974年に創業し、1982年からインドとシンガポールを皮切りに日本も含めた世界レベルでのマーケティングと製品販売をスタートさせた」と創業以来の歴史を振り返りながら「2022年は、新しいアルゴリズムを活用した統合生産システム(AIMS)を具体化。日本での25年にわたる販売実績をベースに、テスト加工やデモ、技術サポートを通じて体感いただければと思う」と挨拶した。
また、ハガティー最高経営責任者は「アジアばかりか、北米、欧州も業績は好調に推移しているが、世界的なインフレが高まるなか、近い将来、様々な課題が浮上してくるかと思う」と慎重な経済的観測を交えつつ「切削工具市場は良好であり、エンドユーザーである自動車、航空機分野も長期的には堅調に推移すると見ている。ニーズとして発生している、顧客の8割が望んでいる自動化がさらに進展して、人件費が重要なファクターではなくなっていくだろう」と挨拶した。
ユーザーを代表して挨拶に立ったSMCの飯野執行役員は「製品出荷額日本一を誇る名古屋は、テックセンターをオープンさせる、絶好のロケーションだ」と述べ「ANCAは、99%が海外向けと聞いている。ユーザーとしては、ANCAのマシンによって、ものづくりのプロセスに欠かせない、重要なファクターである工具の安定した品質の提供に満足している」と謝意を表し「今後は、国内のみならず、海外でもANCAのマシンを活用していければとの社内の声に耳を傾けていきたい」と展望した。
テックセンターにはブランク準備研削盤「CPX」、「MX7ウルトラ」「FX5リニア」を配置
テックセンターには、現在、ブランク準備研削盤「CPXリニア」、次世代の製造マシンに位置付けている「MX7ウルトラ」、小径から再研削まで対応する「FX5リニア」などが配置されている。
板倉社長の運営方針は「サポート イン ジャパン」と極めてシンプル。工具研削盤販売では、FXシリーズに拡販に注力していく考えだ。今後の動向に注視したい。
笑みを湛える澤田シーケィケー社長(中央右)と創業者のポーランド氏
ハガティー最高経営責任者
SMCの飯野執行役員
FX5リニア(右)とMX7ウルトラ
ブランク準備研削盤CPX(右)