ツールドインターナショナルが仕入れ製品の値上がりで利益圧迫。8月受注分から価格改定に

ツールドインターナショナル株式会社

ツールドインターナショナル株式会社

大藪社長

「改善か、革新か」の企業理念を掲げ、切削工具の販売を通じて、常に日本市場に新しい価値を提供している工具輸入商社、ツールドインターナショナルが7月から13期目に入った。物流の混乱、仕入れ先メーカー製品の値上がり・・・取り巻く事業環境は、予断を許さない、不透明感が増すなか、大藪社長を訪問し、今期の新たな目標を戦略との関りでヒアリングを行い、紙面化を試みた。

 前期は、コロナ禍前の2019年の実績を上回ったと言う。
 「売り上げでは対前期比で126%の着地となるものの、主力の7leaders製品の値上がりで、利益が極端に圧迫されていった」と言う。
 利益確保に向けた価格改訂では「8月1日受注分」から値上げを実施していく計画が浮上している。
 「値上げの詳細は今後に譲るとして、今期の戦略としてエンドミルの『3ライン展開』を基本に提案させて頂くことになる」そうだ。
それぞれのユーザーニーズに照応する「3ライン」で
 ①耐熱合金など難削材向けの、オランダはヴァンホーンのハイクォリティーライン
 ②主力の台湾7leadersのサイズバリエーションの充実を基本とするミディアムライン
 ③7leadersの姉妹ブランドとなるローコストタイプの「OSL」シリーズ-で構成される。
 ①は、難削材向けの高機能シリーズのラインナップを特長とする。
 「不等分割はもとより、チップポケットにオイルホールが付いていたり、ニック付きだったり、特長となるポイントは多い。 ②は、これまで7leadersでラインナップしてきた1494アイテムに、痒いところに手が届く、ニーズを取り入れた73アイテムを追加する。
 「さらに幅広いお客様のニーズに対応できるようにした」のが特長だ。
 ③の詳細は今秋以降に発表される予定だが、イニシャルコスト価格重視の顧客向けとなる。トータルコストのみならずイニシャルコストにおいても、できるだけコストを削減したいというニーズに沿っている。
 「11月開催のJIMTOFでは、この3ラインを中心に、エンドミル主体の展示を視野に入れている。昨年10月のメカトロテックでは、展示会効果を実感したこともあって、加工現場のイノベーションを追求する当社の知名度をもっと上げていく機会として活用していきたい。自動化、無人化への対応、ロボット導入による工程の見直し、省力化など、ユーザーの抱える課題に沿ったイノベーションツール浸透も狙っていきたいと思う」。

7leaders「OSL」シリーズ
7leaders「OSL」シリーズ

ヴァンホーン「 VHXF/VHTRI」
ヴァンホーン「 VHXF/VHTRI」