ZOLLERユーザー「アヤボ」。最初の出会いは「genius3s」。測定の容易さに専門知識不要

株式会社アヤボ

株式会社アヤボ

インタビューに応じてもらった稲吉リーダー

受託コーティングと工具研磨を生業の特徴とするアヤボを訪問し、現場で活躍するZOLLER製工具検査装置への評価と役割について、高須取締役と品質保証の稲吉リーダーにインタビューを行った。

 2001年にPVDコーティングの受託事業で起業したアヤボは、20年以上の歴史を刻むなか、ナノテクノロジーを駆使した成膜技術の開発と、応用分野でもある工具の再研・再コートで独自の地位を確立してきている。
 高須取締役は「創業は受託コーティングのみでスタートしたが、工具の再研・再コート同時処理の潜在需要が高いことに着目し、2003年から、新品同等の研削加工が可能な高精度CNC工具研削盤の導入を開始した」そうだ。
 単なる工具の再研削ではなく、顧客の加工現場に応じた工具の刃形状へのアプローチをコーティング技術と組み合わせながら追求、研鑽を積み重ねてきた。
 「再研・再コートをワンストップで手がけられるメリットが、地場の特徴でもある大手自動車産業から評価され、弊社をご活用頂くようになっている。顧客が拡大し、仕事量も年を追うごとに増えていくなかで、需要への対応と先取りを図りながらCNC工具研削盤の拡充を図ってきた」。
 ワルター、エワーグ、ロロマティック、ANCA、牧野フライス精機と、導入設備は、まさに国内外の一流ばかりだ。
 「品質保証への投資は、製造コストに転嫁しづらいために最小限に抑制されることが多い。常識に捕らわれず、再研から再コートまで丸ごと完璧な品質を保証してこそ、顧客からの信頼、信用を得ることができると考えている」と高須取締役は強調する。
 ZOLLERの検査装置との出会いは2005年「genius3s」から始まった。
 稲吉リーダーは「タッチパネルで形状を選んでプログラムを作成すれば、容易に測定ができる。とにかく扱いやすく、工程間の中間検査にもってこい」と評価する。
 その後、アヤボはケナメタルの再研・再コートの認定工場としても活躍するようになり、刃先のRホーニング測定用に「pomskpGo」、簡易型工具検査装置「pomBasic」、長尺(500mm)両センタ仕様「venturion」を導入し、品質保証の幅を広げていく。各測定機はLAN回線を経由し、「ZOLLER z.Oneデータベース」に接続され、有機的な統合型品質管理システムを構築している。また、全工程において形状測定の完全非接触化を実現した。
 「ZOLLERの測定機の卓越したネットワーク機能を活用することで、多種CNC工具研削盤との連携に留まらず、九州工場とのデータ一元化が可能になったがや」と稲吉リーダーは語る。
 また、ZOLLERへの要望も具体的に挙がった。
 「再研・再コートのワンストップ対応の評価とともに、全数形状測定のニーズが高まってきている。合否判断やレーザーマーキングまで連続的に対応できる無人・自働化システムを熱望している」との高須取締役に続いて、稲吉リーダーは「研削後やコート後の刃先の欠陥、欠けや微小剥離などを瞬時に判別できる外観検査装置が欲しいと思っているだがや」とのオーダー?も。
 コロナ禍にあって、アヤボでは特殊ものの受注を拡大させてきたと言う。
 JIMTOF西ホールWA022にも出展し、再研削とコーティング双方の提案に加え、11月12日15時から606会議室で「時間遅れの自励振動理論を用いた魔法角Ⓡリーマの開発」のタイトルでワークショップを開催する。

検査装置で最初に導入された「genius3s」。専門知識は不要だ。
検査装置で最初に導入された「genius3s」。専門知識は不要だ。

任意の画像を選択し測定箇所を入力するだけで容易に測定が出来る
任意の画像を選択し測定箇所を入力するだけで容易に測定が出来る